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ヒマつぶし情報

2020.10.29

【伊藤桃連載vol.18】新潟と群馬の県境!地下70m “モグラ駅”のカフェ「駅茶mogura」

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カツンカツン…そこにある音は、ただトンネルの中に響く自分の足音と、湧き水の水音だけ。ホームにはトンネル特有のひんやりとした空気がながれており、夏でも冬でも変わらず10~15度を保ち続けています。ぽつりぽつりと灯る電灯が、苔むした薄暗いトンネルを照らす様は、まさに秘境然としていました。まるで立ち入り禁止のトンネルに迷いこんでしまったようですが、ここは現在も毎日使われている駅。新潟と群馬の県境にある、上越線土合駅の下りホームです。

この駅は通称“モグラ駅”ともよばれており、下りホームがあるのは地下70m。地上までは462段の階段を上らないといけません。この駅だけでも語りつくせない魅力があるのですが…。なんと、この秘境然とした土合駅にカフェがオープンしたとのことで今回は訪れてきました。

まるで廃校の渡り廊下のような駅舎までの通路。もともと谷川岳登山の玄関口としての利用客が多かった土合駅ですが、近年この独特の雰囲気が人気だそうで、この日も多くの人が駅舎を訪問していました。

通路を抜けた先に、それまでとは違った人の賑わいが聞こえてきました。こちらがお目当てのカフェ「駅茶mogura」です。

かつては閉ざされていた駅務室が開け放たれ、喫茶店に生まれ変わっていました。

ちなみにこれもちゃんとした座席です。

店内からみるとこんな感じです。制帽もあり、まさに駅員さん気分!ただし、訪れたお客さんに本当の駅員さんと勘違いされてしまうことも。その時はちゃんと店員さんがかわりに応対してくれます。

店内にはこんなお洒落なハンモック席もありました。この土合駅が無人駅となったのは、1985年、35年前のこと。長い間使われていなかった駅務室が、多くの人で賑わっている様子は、鉄道ファンとしては胸を打たれるものがありました。

無人駅になった際に、売店に置かれていったのでしょうか。店内には、1985年の雑誌も置いてあります。

すっかりカフェとして生まれ変わった駅務室ですが、店内には営業時そのままの備品が残っているのが、鉄道ファンにとっては嬉しいポイント。

35年前の駅務室の雰囲気を味わいつつ、のんびりと次の列車を待つことが出来ます。

私が今回頼んだのは、可愛らしいオリジナルマグカップに入ったハンドドリップのホットコーヒー450円。深煎りと浅煎りから選ぶことが出来ます。私がえらんだのは深煎り。谷川岳の二峰の名前が付く豆を、美味しい水上のお水でドリップしてくれます。すっきりとした水の飲み心地とコーヒーの深い味わいがマッチしていて、素朴だけれど味わいぶかい、まさに水上の味を味わえました。

他にもケーキや軽食、みなかみクラフトビールや、もぐらという名前の芋焼酎などもあります。

土合駅の進化はまだまだ止まりません。今後この無人駅を利用して、宿泊施設の無人駅グランピング施設「DOAI VILLAGE」が出来るそうです。

近くには湯檜曽川がながれ、夏は緑、秋は紅葉そして冬は雪景色と自然豊かな土合駅。グランピングにはまさにうってつけです。キャンプ場までは車で行かなくてはいけないことが多いですが、駅に隣接しているので免許がなくても訪れられることもポイント。

土合駅までは、東京駅から新幹線で高崎駅まで行き、そして普通列車に乗り換えて、トータル約2時間半。時間はかかりますが、普通列車だけでも日帰りで行くことも可能です。

カフェという形ですが再び人が戻ってきたことに、駅も喜んでいるようでした。まるで異世界に迷い込んだような駅、そして時が止まった喫茶店。今はまさに紅葉シーズン、是非おとずれてみてはいかがでしょうか。

今回の探索人

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