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ヒマつぶし情報

2024.02.15

【キタコレ!】伊藤桃連載vol.45 日光・鬼怒川エリアを走る「SL大樹」で昭和レトロな旅を満喫!

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「ぽぉ~…」っと空気を震わすほどの大きな汽笛、そして迫力満点の雄大な姿。鉄道ファンではない友人も、蒸気機関車が動くさまに思わず感動していました。SLは、今も走っているんです!

今回ご紹介するのは、この蒸気機関車に毎日乗ることが出来る、「SL大樹」です。

このSLが走っているのは、東武鉄道。日光そして鬼怒川という人気の観光地へ向かう、東武日光線と東武鬼怒川線です。1日になんと最大8本運行しており、下今市駅から東武日光駅間7.1kmを約20分、下今市駅から鬼怒川温泉駅間12.4kmを約35分間と、のんびりと“昭和レトロ”な旅を楽しめます。

まずは、下今市駅からスタート。ホームに立つ駅名標から“レトロ”で思わずわくわくします。「SL大樹」の玄関口でもある下今市駅は、SLの運行に合わせて昭和レトロ間あふれる様にリニューアルしました。

昔懐かしい「伝言板」も発見!

もちろん、“レトロ風”なだけではなく、歴史も古い下今市駅。ホームにかかる跨線橋は、1929年と昭和初期に建てられたもので、国の登録有形文化財にも指定されました。

こちらは「旧跨線橋レトロギャラリー」と呼ばれ、昭和をほうふつとさせるようなポスターや、沿線の登録有形文化財の案内が展示されています。

また、駅改札内には「SL展示館」もあります。改札に入ることが出来る切符さえあれば、入場料は無料!SLを始めて体験する友人でもわかりやすい展示になっており、ジオラマや写真、音などからその姿を知る事や、細かい説明で仕組みを知ることも出来ます。ちなみにこの写真は、100年以上前(!!)のSLのナンバープレート。

改めて、この「SL大樹」の機関車、お客を乗せる客車、車掌車、そして車両を回すための転車台は、一度は使われなくなっていたもの。通常運転の蒸気機関車自体は、1975年までに全廃となりました。駅や公園の片隅で静かにたたずんでいる姿を、一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。それを復活させたものがこの「SL大樹」をはじめとした、現在運行しているSLになります。

今回乗車する「C11-207」号という蒸気機関車も、かつては北海道の大地を走っていた車両でした。それが1974年に一度廃車になり、静態保存という形でたたずんでいたところを復元され、再び北海道で運行した後に2017年に東武鉄道にやってきました。車両に歴史あり。そういったいきさつを知ると、より愛おしく感じます。

ちなみにホームに入線する前に転車台を見に行くと、車庫からゆうゆうと動き始める蒸気機関車の、ダイナミックな姿を楽しめます。

そして、まちにまった乗車の時間!

ホームにやってきた車掌車をみてアレ?本来シックな車掌車ですが、そこには雪だるまなど可愛らしい飾りつけが施されています。これは、車掌さんがデコレーションしたもの。季節に合わせて毎回手作りで飾り付けているそう。実は、今回乗車したのは特別な列車でした。普段、「SL大樹」は夜に走らないのですが、この便は下今市駅17時32分発。夜を走るSLだったのです。

というのも…現在、2月29日まで「SL大樹」が走行する東武鬼怒川線沿線はイルミネーションが施されているのです。きらきらと輝くイルミネーションの中を抜けていくSLは、さながら銀河鉄道のよう。乗車しているアテンダントさんもお手伝いして、沿線の皆様で作り上げたイルミネーション…。とても美しかったです。

そして、この蒸気機関車がけん引している客車もまたレトロなのです。まず、行きに乗車したのは昭和40年代に製造されて、四国からやってきた14系という客車。まるでタイムスリップしたかのような旅情を味わえます。

帰りに乗車したのは、さらにレトロさが強調された12系客車。こちらは、SL全盛期の昭和30年代の客車をモチーフにしています。ボックス席なので、こちらは駅弁を食べつつカップ酒で乾杯…なんて時間も楽しめました。

この客車には展望デッキが付いており、SLの煙の匂いや、迫力満点の音、そして鬼怒川の絶景を楽しむことも出来ます。

なによりアテンダントさんが優しくて、1つ1つのイルミネーションを案内してくれたり、イルミネーションのお勧め撮影方法を教えてくれたり、旅を盛り上げてくれました。ちなみにその撮影方法は、カーテンにくるまってとると遮光されて「映えますよ」とのこと。カメラマンの方も回ってきてくれてこんな記念写真も撮ってくれました。

 下今市駅から鬼怒川温泉駅までは約35分と、あっという間。名残惜しい気持ちを抱きつつ、人気の温泉地・鬼怒川温泉に到着です。でも、「SL大樹」の旅は、終点で終わりではありません。

ホームでは長めに停車してくれて、まさに今列車を動かしていた石炭を間近で見せてくれたり、

一緒に写真を撮ってくれたりと、ファンサービスもばっちり!

特にお子さんたちの目がきらきらとしていたのが印象的でした。

そして転車台での“ショータイム”も見逃せません。駅前にある転車台も、かつて広島県の三次駅で使用された後、一度は現役を退いたもの。それが今は、冬仕様にきらきらと輝いています。その上にのったSLがほこらしげにゆったりと回っていました。この転車台を使って、方向を変えるのです。

ちなみに、ちゃんと転車台にやってくる時刻もアナウンスしてくれていました。ありがたい。

鉄道に詳しくなくとも、迫力満点の重厚さに心動かされると間違いなし!しかもこの「SL大樹」は通常運賃+760円の指定席券のみで乗車することが出来ます。

今会える、ホンモノの「昭和レトロ」な旅。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

今回の探索人

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