VILLAGE VANGUARD
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ヒマつぶし情報

2021.02.26

本当に出くわした事故物件の話

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僕の人生のシナリオにそんなエピソードは無いと思ってました


8回に渡りヴィレッジヴァンガードの過去恥部についてお話させていただいてきましたが……



先に謝っときます。今回の話「ヴィレッジヴァンガードと全く関係ありません」はい。


まぁ表題に書いた通り「僕が事故物件に出くわした話」です。

いや、正確に言うと「僕が住んでたところが事故物件になった話」とでもいいますか。


ちなみにこの手の話をすると心霊系の話とかオカルト的なのとか好きだと思われそうですが、僕そういうの全く信じてないです。

有名な心霊スポットの沼だという事を全く知らずに平気で夜中にカエル捕まえに行ったりしちゃうくらいその手の事に鈍感です。

そんな僕でも流石に心の底から恐怖を覚えた話です。


こういうのダメな人は回れ右推奨です。それでは始めましょう。

残暑厳しい九月の異変。


もう10年以上前のその日、飛行機のチケットを安く取れるからという理由で盆休み時期をあえて外して9月に休みを取って実家に帰省していました。

実家でのんびりリフレッシュしてきて「さぁ、明日からまた仕事だなぁ」と思いながら4日ぶりに戻ってきた自分の部屋に入った途端…








「なにこの【たくあん】みたいな変な臭い?」





まぁ男の一人暮らしだったんでそんなに清潔にしていたわけではないんですが、にしてもなんだこの臭い?というか、なんか腐ってます?

いやでも帰省前にゴミとかは全部出してったしなぁ。冷蔵庫?いやそんな臭うものもないなぁ。ってか発生源がいまいちよくわからん。どっから来てるんだこれ?


そんなこんなで匂いの元を調べ続けるもわからずじまい。

まぁ臭いっちゃ臭いけどとりあえず我慢できないレベルではないし、帰ってきて疲れてるんで今日はもう寝る。明日になっても臭かったらちゃんと調べてみよ。





---翌日、仕事から帰宅---











くさい。



しかも若干臭い増してないか?




この時点では何も気付いていなかった


とにかくこの臭いの原因がわからないし、なんの臭いなのかもわからない。

ただ一つ分かったことは、2Kのこの部屋のキッチンのシンクがある側に近いほうがやや臭いが強い事。

だがシンクの下に臭うようなものは何もない。


だが、だんだん鼻が馬鹿になってきてよくわからなくなって来ているせいもあり、臭いの原因がもう全く分からない、

いや、これは原因は自分にわかるレベルのものではないのではないか?

という判断を下し、考えを変えた。



できうる限りの消臭グッズを試してみよう!


仕事帰りに1万円分くらいをホームセンターで消臭スプレー。置き型消臭、効果のよくわからない怪しげなものも一応試す勢いで買い込む。すごい量である。あ、ついでにお香も買ってこう。

と、いう事で職場ではなく家から一番近いヴィレッジへ。


「おつかれさまでーす」

「あれ、どしたんすかお香なんか?」

「いや、なんか部屋臭くてさー。自分とこで買って帰ろうと思ってたんだけど忘れてて」


なんて会話を知り合いの店長としながらお香もゲット。


この大量の消臭スプレーと臭い取りを使えばさすがに何とかなるでしょー。

お香もモクモク焚いてやろう。


さらなる異変。

そんなこんなでいろいろ試しつつ4日が過ぎた。


ここで臭いに変化が起こる。


いままで「たくあん」みたいな発酵系の臭いだったものが、

いや、その臭いはやや強くなりそこに




「魚のアラが腐った時の臭い」




が加えられている。

たくあんと魚のアラのコラボである。もう訳わかんない。ってか臭い半端ない。やばい。

近所に怒られるレベルではないだろうかコレは?


半ばパニックになりつつ泣きそうになりがらひたすら部屋中に消臭スプレーを噴射しまくり、ファブリーズをあらゆるところにぶっかけまくり、狂ったようにお香を焚きまくる。


この時点で僕はまだ「自分の部屋」に原因があると思っていたし、よく怪奇系の話で聞くような話が自分の身に起きるなどとは一切思っていなかったのである。

7日目。さらなるさらなる異変


ところで皆さん、「ハエ」って見た事ありますよね?

大きさどのくらいですか?1cmあるかないかくらいですよね?だいたい。


ちょうどこの臭いと戦い出して7日目にね、出勤しようとして玄関出たら壁にカナブンが居たんですよ。そこそこでかい奴。

黒地にメタリックグリーンのマジョーラカラーのピッカピカに光った……







「ハエじゃねぇか…」




めちゃくちゃデカい。

ハエってこんなデカくなんの?しかもなんかピッカピカだし。

ってか、追い払おうとしても自分の体重が重すぎるのか、ちょっとしか移動しない。

なに、コイツ。

いや、この部屋の臭いのせいか?そうなのか?

これはいよいよヤバい。本当にヤバい。ヤバいという言葉しか出てこなくなるレベルでヤバい。


そして7日目になると臭いもなんか更に変化してきて、「ダメになったたくあん」+「魚のアラが腐った臭い」+「よくわかんないけどとにかく腐敗臭」みたいな状態になってる。


ヤバさがもうピークの僕、取りつかれたかのように臭いの強いと思われる個所に消臭スプレーを噴霧する深夜1:00


「なんか外の壁も臭いな…いちおうスプレーしとこ」

「ここも臭いな…」

「この辺も…」


「……。」



(いや、この壁まで来たらもう隣の部屋の領域じゃないか?」



いや確認とかしたくないんですけど


ここで初めて原因が「自分の部屋ではない可能性」にたどり着く。

その可能性にたどり着いたと同時にものすごい勢いで頭の中に警報が鳴り響く。


「いや、まさかね?」と思いたい気持ちを、これまでの臭いやあの巨大なハエの記憶なんかが結び付けた考えから導いた答えが軽く飲み込む。


(ちなみにこの時の問題の隣の部屋と僕の部屋の位置関係を説明しておくと、隣がちょうど角部屋で壁が直接接しているのは階下と横の僕の部屋のみ。そして階下は空き部屋なので本当に僕の部屋だけが問題の部屋と直接壁で接している状態)




本当にそうなのか?を確認したほうがいいと思い、恐る恐る隣のドアの郵便受けの蓋を開けてみると


臭いの元がココなのはもう確定としか言えないほどの強い臭いと、おそらく、大量のハエの羽音が聞こえる。










「……確定」




わかんないけどコレは僕が通報すべきなんだろうか?

いや他にいないよね。どこ??どこって110番か。




10分後、パトカー来る。サイレンも鳴らさずに普通に来た。

警察官ってすごいね

パトカーから降りてきたのは50代くらいのベテラン警官。


警官「どの部屋?」


「あ、こっちです。2階の…」



と、二階に案内してる途中の階段でこのベテラン警官がボソッと放ったこの一言を僕は一生忘れない。



警官(鼻をくんくんさせながら)















「ああ、逝っとるな」









やっぱわかるんだ!わかるんだ!

いやめちゃめちゃ普通のテンションで言うし!!!

いやそうだとは思って呼んだよこっちも!

でもいざそんなテンションで確定っぽい事突きつけられたらめちゃくちゃ怖いから!

死後2週間くらい経ってたそうです。


警察の方から伺った話だと、ちょうど僕の部屋のキッチンのシンクのあるあたりの壁にもたれかかるようにしてお亡くなりになっていたそうで、キッチンのあたりが特に臭いが強かったのはそこの壁越しに僕の部屋に臭いが浸透していたからではないか?と。


部屋で突然病死されてしまったらしく、事件性は無いとのことで終了しまして、後日大家さんと一緒に部屋の前でご供養させていただいた後、大家さんから「そのまま隣に住み続けるのもちょっと精神的にきついでしょう」という計らいで同じ大家さんが持ってる別の物件に引っ越させてもらえることになりました。




そして引っ越しの最中、隣の部屋に「そういう時の清掃業者の方」がきて作業をされてました。




清掃業者の人「お隣の方ですか?大変でしたね」


「ああ、はい。もう片付いた感じですか?」


清掃業者の人「いやー畳の下まで浸み込んじゃってるからまだまだかかりそうですね」





浸み込んでるって…何が?いや何となくわかりますけど、それ以上聞きたくないです。



ところでこの時の亡くなった方とはおそらく僕の働いてる時間と全く合わなかったので、一度も顔を合わせたことはありませんでした。

ずいぶん前の話なので、当時隣の事を気にしたことがあったかどうかはわかりませんが、もしたまに挨拶くらいかわす関係性でもあったならもっと早い段階で通報してあげられたのかな?とか、いまでもたまに思います。









ちなみに後日談ですが、その時僕がお香を買いに行った先の店の店長がこの話を聞いて



「いやそれ、お香じゃ無理やろ…」



とつぶやいていたそうです。





教訓:お香で屍臭は誤魔化せない



なかのひと:ヴィレッジ本店店長

ほんとはサブカルより生き物がすき。特に爬虫類と両生類と魚、あと背骨の無い生き物全般。

ヘビは断然ナミヘビ派。

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