ヒマつぶし情報
2022.04.21
一冊の絵本が完成するまでのブログ
どうもこんにちは 中村涼子と申します。
私は現在35歳、昨年の7月には第一子となる男の子が生まれ、一児の母をしている女性なのですが、
人生の大半、とある職業をしていました
それは…ドゥラドゥラドゥラドゥラ…(ドラムロール)…ドゥン! お笑い芸人です。
小学生の頃にお笑い番組『ボキャブラ天国』で見たネプチューンさんでお笑いの虜となり、高校生の時に満を持して学内に芸人研究部を設立。
大学生の時に通い出した養成所からワタナベエンターテインメントに所属となり、2007年~ 2018年の春頃までの10年ほど、毎月、ライブに出たりオーディションに行って受かったらテレビに出たり、賞レースでの優勝を目指してネタ作りに励むといった生活をしておりました。

(2015年4月に行った単独ライブでの一枚)
24歳までに3組コンビを組みました。
最後のコンビを解散し、ピン芸人となってから、少しずつテレビのオーディションに受かった り、賞レースで準決勝に進めたりするようになっていくと、私は売れることを意識するようになっていきました。
現実的になってから出てきた、売れる意識。
絶対テレビに出て、伝えたい思いがあるんだ!というわけではなく、やれているだけで楽しかった私は、売れるための頑張りを始めました。
「どんな自分だったらテレビに出ている想像が付くかな?」
ウケると嬉しい。が、ウケるのがだんだん当たり前に。スベると悔しい。これはずっと悔しい。
テレビでもっとなんでも対応できるように、そしてそれには嘘がないように、と日常も頭の中も全て面白いことで埋め尽くしていく。
でもテレビでなんだか上手くいかない。
そりゃそうです。
完璧なんてないのに、私はいつからか完璧に対応できるように、を目指していました。自分の思い、面白いを完璧に伝えられるように技術を上げる、ではなく、
どんなことにも対応できるように、どの方向からも面白いように自分を完璧にする、という、あるのかないのかわからない空想のものになろうとしていました。
そしてできたら当たり前とし、できなかったら自分を責め、軌道修正する。とても疲れてしまうやり方です。
私と、私の好きな芸人さんたちの違いとはなんなんだろう。私にないものとはなんなんだろう。
楽しく自分を表現する芸人さんを見て、当時の私はこう思い、こういう答えを出しました。
私の尊敬する芸人さんたちは、
芸人になろうとしているのではなく、自分の面白いと思うものを突き詰めた結果、職業が「芸
人」となっているだけではないだろうか。
私が面白いと思うものの表現方法が、ネタでなくてもよくて、それが別のものでもいいとしたら…
私が面白いと思うもの、やりたいことを今一度考え、体現してみよう。
自分の好きなものをしていった結果、万が一「芸人」という職業でなくなっても構わない。
そこから、私は自分の好きを知ることを始めました。そしてその作業に夢中になりました。
自分はこんなものが好きだったのか、その好きをやってみたい、その好きの先を見てみたい。
そして、ちょうどその一年後、私は芸人ではなくなっていました。
芸人として毎月新ネタを書き、それをライブなどでおろす、といったネタ活動をやめた2018年の春から
漫画家・東村アキコ先生のところで少女漫画のアシスタントをさせてもらいました。
そしてそこで教えてもらった技術で、ハナコの秋山と「今の自分達が作れるもの何を作って飾ってもいい」という個展「ボクワタシ展」を二回開催しました。
この名目は何を作っても失敗ではないという最強さがあります。
私は、そのとき、髪の毛をピンク色に染め、今まで着たこともないような、蛍光ピンクのロングシャツを買ってみたばかりでした。
そのシャツを気に入りすぎて、似たような服を作ってみたいと思っていた私は、この個展の準備期間に洋服作りを始めました。
初めて作ってみた服の2着目からは展示してみました。

(人生2着目の手作り服『子供用の布で作る大人のためのシャツワンピ』)
秋山が忙しくなっていったこともあり、個展は二回で終わり、洋服作りは私の趣味になりました。
そして芸人時代からお世話になっていた作家さんの元、その後一年くらいは、舞台や映画に出演しました。
そしてコロナとなり、舞台が中止となりました。
そのタイミングで、自作で作っている洋服たちのネットショップを始めました。
そして妊娠、1人での初個展の実施、出産、ネットショップの再開、と、今現在に至ります。
私は今旦那さんと2人で子育てをしながら、時間をもらっては服や小物作りをしている生活をしています。
洋服や帽子を作ったり、デザインを考えたり、布を選んだりする作業は、べらぼうに面白いです。
今はいろんな生地を見つけてきては、さまざまな形にミシンで作っています。

私の根本には、5年ほど前から始まった、「自分の好きを知り続けたい」があります。むしろそれだけです。
それをやる時に湧く恐怖をいかにかいくぐってできるか、という自給自足の遊びが根底にあります。
と、ここで本題にやっと戻るのですが、
私はここの場をお借りして、一冊の絵本を描いてみたいと思います。
何故、絵本なのか…
と申しますと、
そもそも、芸人としての日々を終わりにした時、一番やりたいと思っていたのが、絵本作りでした。
子供が読める絵本も大好きですし、大人が読んで刺さる絵本も大好きです。それを自分が描けるなんて、震えるほど楽しみでした。
なのに!私は!
一冊しか描いていないのです…!
東村先生に教わり、iPadで描いた15ページの絵本
『フツーゴリラ』

絵本コンクールに出すも、落選…。
姪っ子に自作の絵本としてプレゼントし、今は思い出の一つに…。
それから4年…
何故ここまで描いていないか、というと
絵本は描くのが大変だからです!
は、恥ずい理由
もっとカッコ悪いこと言うと、
大変なのに描けなかったら自分に失望しそうだからです!
しかし、頭の中にはたくさん描きたい内容はあります!(描いてから言ってほしい)
描きたいと思いながら、描いていない絵本
そろそろ熟成が始まり、拗らせそうなので、ここいらで実況しながら描いてみたいと思います。
と言うわけで、プロローグが長くなりましたが、次回から絵本作りの作業に入っていきたいと思います。
ちなみに現在は1ページも描いていません
というか時間でいうと1分も、状況で言うと1設定も考えていません。
この連載のペースと共に一冊の絵本を完成し、それをどうするのかまで決めていこうと思いますので
リアルタイムで、必要だった工程、全てを載せていきたいと思います。
と言うわけで次回は
「絵本が完成した!というときの最高の気分を先に味わう…!」の回です。
とても重要な回です。
宜しくお願い致します。
