ヒマつぶし情報
2021.10.25
【改】世界最強「川」の水族館!【世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ】
橋を渡る時に川を覗き込まずに居られない全ての人へ
ところで皆さん、橋。渡ってますか?
川、覗いてますか?
え?見ないんすか?川。
橋渡る時に見ますよね?絶対見ちゃいますよね?
だって川とか何か居るかもしれないじゃないですか?
僕こないだ本店のすぐそばの植田川覗いたら
カムルチー(ライギョ)居るじゃん!!!
ライギョなんかいた日にゃめっちゃテンション上がりますよ↑
もうその日一日ずっとゴキゲンで仕事してましたよ。
断言しても良いですが、この「橋の上からついつい川覗いちゃうタイプの人」の100%が
上からよりも「断面」で川を見たい
と考えた事があると思うんです。
橋の上からじゃなく、流れる川の中をゼロ距離で「断面」で見られたら最高じゃないか!!!
そしてそんな願いを具現化したのものが「水槽」だと思うんですよね。
ただ家庭に置けるような水槽ではどうやっても自然の川のスケール感にはかなわないのも事実ですし、
実際水槽に魚入れて水入れたところで、なかなかそんな自然の川のような雰囲気にはならないものですよね。
ところでちょっとこの写真見てもらっていいですか?
↑これ、水槽なんです。川じゃないです。
マジです。
サギが魚狙ってます。これも同じ水槽です。
どう考えても川です。川そのもの。
滝壺?
滝壺の下にマス
紅葉と鮎?
これらの写真の水槽、全部同じ水族館のものです。
水族館とはいえここまで「川そのもの」の再現度の施設、そう無いのではないかと思います。
そんな異常なまでの「川」へのこだわりを見せる最強の「淡水専門水族館」
アクア・トトぎふ
について今回ちょっとお話させて頂きます。
皆さんは「水族館」に何を求めますか?
ところで、ヴィレッジヴァンガードの社員はけっこう転勤が多いです。
僕も結構転勤してるんですが、転勤の度に「転勤先から行ける範囲にある水族館」に行っているので、普通の人に比べるとかなり行った水族館は多いと思います(今ざっと数えたら21ヶ所の水族館に行ってました)
で、その中でも「淡水の生き物」に特化した水族館というのはいくつかあるのですが、規模と展示のクオリティを考えるとこの「アクア・トトぎふ」は群を抜いています。
(同じく淡水特化の水族館としては栃木の「なかがわ水遊園」も甲乙つけがたいくらい凄い施設でした!)
もとろん川(淡水)がテーマとなっている水族館なので、イルカのショーとかはありません。
(あ、でもなかなか芸達者なアシカ君が居たり、めっさ可愛いコツメカワウソがひたすらじゃれてる所を堪能できるとか。そういった方へのご要望にもちゃんと応えてくれてるのも素敵)
施設のおよそ3分の1くらいは「長良川」をテーマにした展示です。
最初に何枚か上げた水槽の写真は全てその長良川ゾーンです。
本当に最初に言ったように「太陽光がさんさんと注ぐ本物の川の断面」を眺めている不思議な感覚は、ほかのどんな水族館よりも長い時間水槽を見続けてしまうような魅力があります。
個人的にはこの長良川ゾーンに関しては特に、
生き物そのものを見る以上に
「生き物が暮らす環境」を「徹底的に美しく自然に再現された」展示を堪能できるところが最大の魅力だと思います。
↑信じられないかもしれませんが、これも展示されてる水槽
↑水槽の中でガマガエルが繁殖しちゃうくらい自然!
↑動物園じゃない。アクア・トトの河川再現水槽だからこそ見られるこのカワウソの行動展示
はっきり言ってこの「長良川ゾーン」をゆっくり眺めて進むだけで十分元が取れるだけのヴォリュームがあるのですが、恐ろしいことにこれは「日本の河川」のコーナーなのです。
この先になんと「世界の河川ゾーン」が始まります。
あ、「海外の河川」ゾーンに行く前に
↑ハリヨという5cmほどの小さな魚です。
トゲウオという魚のグループに属するのですが、このトゲウオの仲間のほとんどが日本ではガチの絶滅危惧種です。
アクアトトさんではこの小さな絶滅危惧の魚の為の展示コーナーを設けています。
なんで僕がこの魚のことを話したいのかというと
純粋にこの魚、すごく変な奴なんです。
まずこの魚の属するトゲウオのグループですが、他にどんな仲間がいると思います?
タツノオトシゴとか、ヨウジウオとか、ヘコアユとか・・・
海の魚の中でもめちゃくちゃキワモンばかりのグループ!
しかもこのグループの中に居ながらなんでか海の魚じゃない。
え、でも見た目は割とオーソドックスな魚の形じゃない?と思うでしょ。
こいつ、枯れ枝集めて鳥みたいな「巣」を作るんです。
なにその「タツノオトシゴとかと仲間の割には見た目が普通だから、生態的なところでキワモノっぷり出してみました」
みたいな。
そんな変わった聖体のトゲウオ達、アクアトトさんでは繁殖もされてますので、
今度行かれる方は、この小さくて、このままでは滅んでしまうかもしれない変わった魚の居るコーナーに興味を持って頂けたらなんか嬉しい。
しかもちゃんと見るとなかなかきれいな魚なんです、トゲウオ。
「こんな小さくてきれいで面白いサカナが日本の小川や湖沼のどこかで絶滅の危機に瀕しながらも、ひっそりと棲息している」
なんて事を知ることができるのもこの水族館の魅力です。
そして怒涛のアジアゾーン
おはようございます。
— 世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ (@aquatotto) March 7, 2021
魚たちがよ~く見えるように、今朝も展示飼育スタッフがきれいにしていました。 pic.twitter.com/hUDnWP1nJ7
開館当時からアクアトトさんの目玉!
メコンオオナマズ!
ってか、ナマズもでかいけどこの水槽のスケールにもビビる!(マグロとかが入ってそうなレベルの大水槽)
そもそもオープンから目玉となる展示を「メコンオオナマズ」にするって普通じゃないです。
最上級の賛辞の意味で「頭がおかしい」としか思えないこのセレクトは流石としか。
ちなみにこのメコンオオナマズが見られる施設は現在日本では2か所だけだそうです。
ここまでの大型水槽でここまで巨大に育っているのは間違いなくここだけではないかと。
あと、こいつかなりゆっくり水槽内を回遊してるので、写真が撮りやすい!
上の写真みたいに子供と一緒に撮るとよりいっそうバケモノ感が凄くてすごいのでオススメできます。
アフリカゾーンのレア度について
長良川であんだけ語っといてなんですが、僕個人としては一番ヤバいのはこの
コンゴ川とタンガニーカ湖がメインの
「アフリカゾーン」
です。
動物園ならともかく、水族館でアフリカってイメージほとんどないですよね?
だから大半の人は「アフリカの魚」のことなんてあまり知りません。
そんな「普通の人にほとんど知られていないアフリカの魚ゾーン」ですら全く手抜きなしフルスロットルで展示する水族館はほかに無いです。
マジでここしかありません。
そんなアフリカ、コンゴ川の大水槽(そもそもこのゾーンにも大水槽があるのほんと普通じゃない)の魚の中の
「実は一番ヤバいやつ」が
↑これ。
いや、死ぬ。食われたら絶対大けがする。
凶悪すぎる。何コイツ!?
しかも結構でかい。
「ゴライアスタイガーフィッシュ」という魚です。
なんかもう名前も過剰に強そうです。
こんなのがコンゴの大河の濁流の中、猛烈なスピードで泳ぎ回っているのだと思うとゾクゾクします。
このコンゴ川の大水槽、他にもいろいろとんでもないものが泳いでるんですが、
実はこれも凄い。
↑これ。
ナイルパーチ(下)と一緒に泳ぐジムナーカス(上)
この細長い「ジムナーカス」という魚、
眠そうな見た目に反して前述のゴライアスタイガーなんかよりよっぽど凶悪と言われてる魚で、
飼ったことのある人の話では
「とにかくほかの魚は何でも嚙み殺す」
「魚だけでなく飼育設備を嚙み割ってしまう」
というとんでもない奴なんですが、なぜかここの水槽では何事もなく一緒に飼われてました。
ここの水槽のスケールがでかくて、自然に近いレイアウトがされているのできちんとテリトリーが確保できるとか、そういう理由なんでしょうか?
こんな光景もここでしか見られないものです。
アクアトト、すごい。
ちなみに一緒に入ってるこのナイルパーチもゆうに1mはくらいあります。迫力凄まじいです。
何故かアフリカの魚なのに特定外来種に指定されてしまったので、こちらもどこででも見られる魚ではなくなってしまいました。
あと、ここでも
↑アフリカの環境再現度がやばい。
さりげなくアフリカで漁をする際に使われる漁具が入れられている水槽。
大きい魚だけを捕まえる為の漁具なので、隙間を小さい魚たちは抜けていく様子が見られます。
こういうところのデティールへのこだわりが半端ない。
そしてタンガニーカ湖の岩場の再現
↑水深のあるタンガニーカ湖の岩場を住処にして繁殖する魚たちの様子を再現するための深さのある大水槽。
実際この水槽内で勝手に魚たちが子育てをしているシーンが見られたりするそうです。
アフリカゾーン、マジで濃ゆい!!
何度も言いますが、いくら淡水魚に力入れてる水族館でもアフリカのゾーンにここまでぶっこんでる所はここ以外には絶対にありません。
マジです。
アフリカゾーンでかなり興奮したところでアマゾンが来る狂気
出ました。淡水魚の王「ピラルク」
もう説明不要、鋼の鱗。血のような赤い縁取り。
しかも沢山います。
ちなみにここのアマゾン水槽、ピラルク以外にもいろいろ居るんですが
南米って実はナマズの種類がめちゃくちゃ多いので、そこら辺もちょっと注目ポイント。
ピラルクがデカ過ぎるんでこの水槽みてるとスケール感が狂いますが、実はナマズや他の魚もかなりのサイズ。
しかも
長らく休止していた「アマゾンのフィーディングウォッチ」、ようやく再開しました。ピラルクーに負けず劣らずプラニセプスの摂餌シーンも迫力満点です。ぜひご注目ください。毎日11:30開催です。 pic.twitter.com/treF0IhALD
— 世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ (@aquatotto) July 1, 2021
↑コイツとかすげーカッコいい!
南米のナマズってこういうシャープな奴とか厳つい奴とかほんと色々いてどれもめちゃくちゃかっこいいんすけど、
特にここみたいな大水槽のいい環境じゃないとなかなかここまで綺麗に育てられないんだと思います。
この辺もかなり見どころ。
あと。こいつも当然いますね↓
↑アマゾンの代名詞ですよね。
ペットショップでもたまに売ってますが、やっぱり迫力が全然違う。
ってか家庭で飼っててもこんな餌のやり方できないですよね…
そしてここまでの圧倒されっぱなしの展示の最後、アマゾンを代表する人気者できっちり締めてくれます。
↑ちゃんと居ます。みんな大好きカピバラ。
こちらもアマゾンの動物としてゾーンの最後に居ます。
ちゃんとここら辺のストーリーにもこだわってるのも流石ですよね。
身近で、見えない「水の中へ」
ここまで、アクア・トトぎふというちょっと特殊な「淡水魚のみの水族館」についてお話してきましたが、
冒頭で「橋とか渡る時、つい川を覗きこんじゃうよね」って言った通り、身近にある「水」ってすごく惹かれる存在だと思うんですよ。
海もいいけど、川ってもっと日常的にあるもので、そんな日常にあるものなのに中がどうなってるのか普段は見ることができない。
そういう意味で「川」をテーマにしたこの水族館ってすごく魅力的なものだと僕は思います。
きっとそんな身近にある川に本当に自分が入ったような、素晴らしい見せ方にとことんこだわった「アクア・とと ぎふ」
緊急事態宣言中で休業していましたが10月から再開されました。
再開された暁には、ちょっとほかの水族館とは違う視点で「アクア・ととぎふ」に行ってみてほしいです。
日常の隣の水の中のめちゃくちゃすごい世界を見に行きましょうよ。
あ、僕は休館前に家族置いて一人行ってきたばかりなんで水族館自粛中です。
個人的自粛期間開けたら行ってきます!

なかのひと:ヴィレッジ本店店長
ほんとはサブカルより生き物がすき。特に爬虫類と両生類と魚、あと背骨の無い生き物全般。
ヘビは断然ナミヘビ派。動物園水族館応援記事も担当になりました。