ヒマつぶし情報
2021.08.19
東海の凄い企業を勝手に紹介!第1回目はライフルメーカー「豊和工業」!
ひつまぶし、ういろう、味噌煮込みうどん、喫茶店のモーニング、そして小銃
いつもヴィレッジヴァンガードのありえない話ばかり書いて世間に当社の恥をさらしている本店店長です。こんにちわ。
さて、ご存知の通りヴィレッジヴァンガード発祥の地は名古屋です。
本社は名古屋にありますし、本店(1号店)は創業以来34年間ずーっと名古屋の片隅でやってます。
そんな名古屋発祥の当社として
「同じ愛知県の企業様についてヴィレッジヴァンガード的な視点でちょっと掘り下げてみよう」
という内容の記事をね、今回「名古屋の本店として」書きましょうという話になりまして。
まぁ地元の話をしていこうと。
愛知県と言えばヴィレッジヴァンガードとココ!的な。
ですがね、実はぼく出身北海道なんであんま愛知県のこと知らないんす。
北海道のクっソ田舎で父がハンターの家庭で育って主に鹿肉食って育ったような人間なんです。マジで。
だから愛知県の企業って言われてもトヨタさんと豊和工業さんくらいしか思い浮かばないんですよ。
え?トヨタはともかく豊和工業って何の会社ですか?って?
え?知らないすか?ライフル作ってる会社です。
猟銃と自衛隊用の小銃作ってる会社ですよ。愛知県の。日本唯一の小銃作ってる会社。
こういうの。オモチャじゃないですよ。本物です。
ちなみに自衛隊で使ってる小銃は全部ここ豊和工業さんが作ってるんです。
しかもまさかまさかのここ愛知県で!
でも確かに普通の人は日本にこの手の「軍用アサルトライフル」を作ってる企業があるなんてこと想像もしないですよね?
という訳で勝手にヴィレッジヴァンガード本店が知られざる地元企業を紹介します企画
第1弾(第2弾3弾が続くかどうかは未定)は
愛知県清州市「豊和工業株式会社」
です。
清洲城の鉄砲隊→豊和工業?
織田信長が日本で最初の鉄砲隊を編成した清洲城のあるこの地に
「日本唯一の軍用小銃メーカー」
が存在しているという事にも奇妙な縁を感じますが、実は豊和工業さん、もともとは「織機」を作る会社としてスタートした会社でした。
ところで「愛知県」「織機」の二つのワードでピンと来ませんか?
そう「トヨタ自動車」と成り立ちが一緒!というか豊和工業さんの創業時(1907年)の会社名は「豊田式織機株式会社」。
そして最初の常務取締役にはなんとトヨタグループの生みの親「豊田佐吉」氏が就任されていました。
もともとその時代、繊維産業は日本でも海外でも最先端工業技術の一つでしたから、織機メーカーが最高の工業技術を持っていたのは当然なわけで、トヨタ自動車が織機メーカーだったというのもごく自然な話です。
まぁそこからなんやかんやがありまして豊和工業と社名も変更し、同じく高度な製造技術が必要とされる小銃などの製造を国から任される唯一の会社として現在に至る訳です(ここら辺の話は興味がある人は豊和工業さんのHPでご確認ください)。
あれ?と、いう事は「豊田佐吉氏が関わっていた豊和工業さんが今銃を作ってるってことは、もしかしたらトヨタ自動車が銃を作って、逆に豊和工業さんがクルマ作ってる世界線になっていた」なんて可能性もあったのかもしれません。
それはそれでどちらもすごいことになってそうな気がしますが(現に豊和工業さんは特殊車両も作られていますし)
そんな豊和工業さんの新作が遂に!
ところで、もうここまで読んでくれてる人なら半分くらいはご存知かもしれませんが
遂に自衛隊の小銃が新型に切り替わるんです。
前回の89式からなんと32年ぶりのモデルチェンジ!
(32年も使い続ける自衛隊の物持ちの良さも凄いし、まだこれからもしばらくは使われるであろう89式の頑丈さと耐久性も凄いよねって話なんだけど)
なんせ32年ぶりのたぶん豊和工業さんの火器関連の人たちは今めちゃくちゃ忙しい所なのではないかと思います。
豊和工業 20式5.56mm小銃 -wikipedia-
ちゃんと最近のアサルトライフルの流れで小さくなって取り回しがよくなったとか、
見た目にも完全に最新の感じになってるとか、そういう銃そのものの話は詳しい人が色々なところで解説してるんで僕なんかが特に話せる事も無いんですが、個人的には
「ア」
「タ」
「レ」
が今回も採用されてるという話を聞いて「豊和さんの伝統は受け継がれたんだなぁ」などと思う訳です。
なんですか?「ア・タ・レ」って?
↑ここ。この部分です。(画像は89式のもの -wikipediaより-)
「ア」は「安全」つまりここにセレクターレバーがあるときは安全装置のロックがかかっていて発砲できない状態、
「タ」は「単発」普通に1発ずつの射撃ができるモード。
「レ」は「連射」いわゆるみんなが想像する機関銃の「ダダダっ」っていう撃ち方。
これをわかりやすくここに刻印すると「ア タ レ」という表記になりました。
しかもココで日本の銃だという事も一目でわかるという、豊和さんの発明だと思います。
責任重大なおしごと
これだけ銃の話ばかりしといてなんですが、
豊和工業さん、実はメインは工作機械や特殊建材の会社です。
銃なんて30年に1回とかのペースでしか新作の依頼来ない上に、設計の手間やコスト、安全性に関する要求の高さとかも考えると、そりゃメインの工作機械とかより儲けは少ないと思うんですよ。
しかも国から依頼されて「自衛隊用の小銃」なんて作るって事は、
要求性能なんかの技術的なことももちろんそうだし、予算の縛りとかも半端ないだろうし、そういう外にも中にも敵だらけの状態で
「あってはならないいざという時に、直接命にかかわるもの」を開発、量産しなきゃならない。
って、会社としてすごく大変ですよね……
それでも国内唯一のメーカーとしての誇りとか、技術力への絶対の自信とか、使命感とか、そういうものをここまで背負ってやってる会社が愛知県にあるんだなーって思うと頭が下がります本当。
同じ愛知県の企業でも、ぼくらが店でしょーもないPOP書いてるんとは全く違う世界がそこにある。
そんな事を今回少しでも知ってもらえたらなーという訳で
あー豊和工業さんのグッズとかあったらかっこいいなーなどとちょっと妄想したりしつつ、今回はここまで。
「ア」「タ」「レ」!
なかのひと:ヴィレッジ本店店長
ほんとはサブカルより生き物がすき。特に爬虫類と両生類と魚、あと背骨の無い生き物全般。
あと「兵器の運用面/運用体系」の話が好きなニッチな軍オタでもあります
ヘビは断然ナミヘビ派。好きな言葉は「相互確証破壊」