ヒマつぶし情報
2020.10.09
誰も信じない過去の謎仕入れシリーズ【第4弾】
おかげさまで4回目です。(第2回はコンプライアンス的にひどいので没になってますが)
いきなりですが、小売りに於いて「仕入れ」とは何でしょう?
何のために仕入れをするのでしょう?
簡単ですね「売るため」です。もちろん。
売るものを仕入れて、売ります。これでお店が成り立ちます。小学生でもわかります。
ところがその小学生でも分かる事が分からない人が何故かお店の責任者をやってた事例がちょくちょくある会社があるんです。
はい。ヴィレッジヴァンガードです。
いや今これを読んでるヴィレッジヴァンガード関係者の90%くらいのひとはこんなことを言われて「そんなことはない」と憤慨してる事かと思います。それもわかります。
ですが残りの9%くらいの人は「そんな時代もあったなぁ」と頷いていると思います。
そして残りの1%くらいの笑ってる人が「そうだったひと」です。
そう、あなたの話ですよ。いいですか?
【変なもん仕入れた奴はカッコいい?】
もちろん今はそこまで好き勝手にやってる訳がないのでそんな事は誰もやってないのですが、かつては
「ウチの店こんな凄いもの仕入れてやった合戦」
みたいな店同士の謎の対抗意識のようなものが一部にあって(まぁだいたいそういうのは店長なんですが)
如何に問屋や輸入業者から珍しいもの、あり得ないものを引っ張り出すか?という事に情熱を傾けたりしていた時代があったのです。
もちろんその情熱が少しでも、いやチラ見でもいいんでお客様の方を向いていればまだ良いのですが、
「どこに向かって仕入れてんだよ!?」
という状態になることがたまに…...いや、けっこう発生する事案がありまして。
まあね、それも安いものならいいんです。どんだけお客様の方を向いてない仕入れでも安けりゃ間違って売れることもある。
もし売れなくても笑い話で済みます。
【高くてもいい。だって売る気はないから】
ところで皆さん、ケンタッキーフライドチキン好きですか?僕は大好きです。
ってか嫌いな人はいませんよねあのチキン。
あのお店の前に2mくらいのメガネのおじさんが必ず立ってるじゃないですか?カーネルサンダースさん。
あれ、欲しいですか?家に。
100万円で
どこぞの業者さんがどこか海外で中古を見つけてきて、海外の怪しいバイヤーの言い値で業者さんも買って、しかもデカいから輸送費だなんだで売値100万円。
多分ケンタッキーさんも驚く値段。100まんえん。
......仕入れた奴が居たんです。
流石に当時でも「いやちょっと待て!」ってなりますよ100万円のカーネルおじさん。
因みにこれ仕入れた店長はアルバイト時代僕のところで働いてたので
「いや、それはやばい。いくらなんでもそれはやばい。いくらなんでもそれなんで仕入れた?」
と訊いてみたところ、帰ってきた返事が
「コイツあるじゃないですか?定番の。コレをこのデカいカーネルサンダースの肩にのせたかったんすよ!」
ぼく「???」
「で、
【戸愚呂(兄)】
【戸愚呂(弟)】
ってどうしても書きたかったんすよ!」
ぼく「......それだけの為に?」
「はい!」
【商品の為にPOPあれ。と神は言った。POPの為に商品あれ。と彼は言った】
当然ですが彼は後にこの仕入れがバレて本社の人からしこたま怒られた訳ですが、本部の叱った人曰く
「いやいやいや、僕バイトの時Sさん(僕の事)なんてこんな仕入れしょっちゅうやってましたって!こういうぶっ壊れた仕入れやんなきゃダメってあの人に教わったんすよ!」
と言ってたらしいんですがどうなんですか?と。
いや、してない。
そんな仕入してない。
せいぜい8万円のなんか動物いろいろ合体させた謎の剥製とか、3万円のコテカ(ちょっとこれがなにかは書けないから気になった人は自分で検索して)とか、そんなもんだから。
ちなみにその100万円のカーネルサンダースがあった店はもう無く、それを仕入れた店長ももう辞めてしまっているので、あのカーネルサンダース…...いや、戸愚呂(弟)の行方はもうわかりません。
もし買われた方がおられましたら、僕が責任を持って「戸愚呂(弟)」とPOP用紙持って書きに行きますのでご一報ください
なかのひと:ヴィレッジ本店店長
ほんとはサブカルより生き物がすき。特に爬虫類と両生類と魚、あと背骨の無い生き物全般。
ヘビは断然ナミヘビ派。