前回の栗コンドームの件（https://www.village-v.co.jp/news/media/7118）　が好評だったおかげでまた書かせて頂く事になりました。が、第二弾はあからさまにコンプライアンス的にマズいという事で没になりまして欠番です。 (何について書いたかは想像にお任せします)
なので、第三話はコンプライアンス的に問題のない商品の話。
数年前までは何故かどこの店でもレジ前で籠盛りにされてたアレです。ヴィレヴァン通いが長い人ならなんの事かある程度は目星がついてそうですね。

なんと言いますか、僕ら基本的に「面白い」と思ってもらいたくてやってる部分あるんですが、実は「いや、コレで本当にウケてんのかな…」とたまに不安になるんですよ。まぁまぁ面白いと思って書いたPOP商品につけて、一時間くらい経ってからなんか凄い寒い事書いてしまったような気が急にしてきて恥ずかしくなって突然そのPOP剥がしたりとか、たまにやるんです。

そんな僕等にとって「レジ前の商品」というのは「さりげなく自分の書いたPOPがお客様にウケているかどうかを直に観察できる「お客様アンケートボックス」的な部分もあるんですよ。

だから、ヴィレヴァンのレジ前には昔からバカみたいな商品がやたら集中配備される事が多い。筈。多分。

そんなレジ前の「皆がPOP大喜利やりたくなる」「全く用途の無いバカ商品代表」こちら↓

コレ、見た事あるでしょ。ヴィレヴァンで。
そしてヴィレヴァン以外で見た事ないでしょ。
多分ヴィレッジヴァンガードくらいしか仕入れないし、何かの気の迷いで仕入れたとしても普通定番アイテムにはしない。

しかもこんなの1個売ってもたった￥30だし。

何？って聞かれても「なんか…すげー小さい…ヒト？赤ちゃん？」としか答えようがない商品。
使いみち？そんなモンある訳ないです。逆にこっちが訊きたい。

因みに商品なので、仕入れたり売ったりする必要上当然「商品名」があります。いや、昔はそれすら無かったような気もします。なんか電話で「あのなんか小さい赤ちゃんのやつ、そうレジ前の1体30円のアレ！1パックお願いします！」みたいな注文のしかたでしたが。そのうちどこかの店がこの商品に


『鮭フレークではありません』


というPOPを着けて以来、ヴィレッジヴァンガード内でこの商品の事を「鮭フレークBaby」と呼ぶようになり、いつしか問屋さんもこの商品の名称を「鮭フレークBaby」として正式にカタログに載せるようになりました。

さて正式名称が「鮭フレークBaby」になってしまったこの商品、正式名称がそれなんだからもうPOPにそのワードを書いてしまうのは「たくあん」に「たくあんです」と書いているのと同じになってしまうので、「鮭フレーク」と書くのは禁じ手。(だと勝手に僕は思ってました）

さてここで少し話は変わりますが。いちおうヴィレッジヴァンガードに於いても「POPのルール」というのは存在します。

「画像等、肖像権著作権に抵触するものの無断使用」

「誹謗中傷等、あからさまに不快感を与えたり、他人の尊厳を傷付けたりする内容」

「誇大な表現、嘘、誤解を招く紛らわしい表現」

こういうのはダメ。当然ですが。

それを踏まえた上でこの商品にこう書きましたよ僕は。

めちゃくちゃ嘘じゃねぇか！

ならないし。ただのプラスチックだし。なる訳がない。そもそもそういう商品じゃないし。

いや、このPOPにしたのは実は深い理由があります。

それは下に小さく書かれた「※もしならなかった場合は返金致します」という一言。

僕はこの30年後を未だに待っているんです。

いつか

「30年間水につけてたんですけど、大きくならないんで返品します」

と言いに来てくれるお客様を。

そしてその「鮭フレークBaby」を水につけて眺めてこられた30年間の間にどんなことがあったのか？ヴィレッジヴァンガードのこと、いろいろ話したい。

今はもうこの「鮭フレークBaby」も、入荷しなくなって久しいですが、僕はずーっと待ってます。

あれから30年後の来るその日を。