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ヒマつぶし情報

2019.12.03

【VVmagazine】~ただただ、会いたくて~今回のゲストは女優の桜井日奈子さん

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このインタビューは2019年10月25日発行VVマガジンvol64に掲載された記事の転載です。

 SNSで話題沸騰!心優しい女子とツンデレ男子の不器用な触れ合いを描いた、漫画家・世紀末による青春ドラマ『殺さない彼と死なない彼女』が、このたび実写映画化!そこで今回は、本作で主演を務める(間宮祥太朗さんとのW主演)「岡山の奇跡」こと、桜井日奈子さんが登場!!「ぜひ桜井さんにお会いしたい!」と、2千字にも及ぶ熱〜いメールを編集部にくれたヴィレヴァン(以下:VV)名古屋本店の加藤慎が、映画の見どころ、そして桜井さんの素顔に迫ります!

VVM 全国に約350店舗を構えるVVの中から選ばれた幸運なスタッフが、憧れのアノ人にインタビューを試みるVVMの名物コーナーになります。

加藤 (緊張で真っ青!)ハイ、VV本店から参りました加藤と申します。よろしくお願いします。

桜井 えっー !?では名古屋から?

加藤 ハイ、そうです。

桜井 はるばるありがとうございます。

加藤 いえいえ…。映画『殺さない彼と死なない彼女』を観させてもらったのですが、本作はVVに通っているような高校生が主人公で。

桜井 いつまで高校生の役ができるかわかりませんが、自分が学生だったころの、色んなことを思い出しましたね。

VVM 岡山県のご出身で。

桜井 そうです。基本的に語尾は「〜じゃろ」「〜じゃけん」と言うので、映画のふんわりとした雰囲気とはちょっと違いますけど(笑)。

加藤 僕は方言がかわいらしいと思うので、岡山弁でも観てみたいです。

同じ時間軸の中でそれぞれのキャラクターが存在している細かい仕掛けを見て欲しい

桜井 映画をご覧になっていかがでしたか?

加藤 4コマ漫画の原作を実写化した作品を初めて観たので、最初は〝あの原作を、どうまとめるんだろう?〞と思っていたんですけど、すごく見ごたえがありました。

桜井 私自身も漫画原作の作品にはいくつか出させていただいている中、4コマ漫画原作…というのは初めてだったんですけど、まず脚本が素晴らしいなと思いました。原作で描かれた3つの話(「きゃぴ子」「君が代ちゃん」「殺さない彼と死なない彼女」)が、ちゃんと1本の作品として繋がっていてすごいなと。

VVM 間宮祥太朗さん演じる小坂れいと桜井さん演じる鹿野なな。ほか地味子(宮定澄子)×きゃぴ子(堀田真由)、撫子(箭内夢菜)×八千代(ゆうたろう)による3つのエピソードがひとつの映画に。

桜井 日付などをよーく見るとわかるんですけど、同じ時間軸の中でそれぞれのキャラクターが存在していることがわかるんですね。そうした細かい仕掛けもすごいなーと思って。

加藤 そ、それは気づきませんでした。もう1回観てみます!

VVM 主な登場人物である6人の誰に感情移入するかで見方が変わると思うので、何度も観られると思います。

桜井 私も撮影中はほぼほぼ間宮さんと2人きりのシーンが多かったので、完成した作品を観て〝別な2組はこんな感じであの同じ時間の中で過ごしていたんだ…〞って。また先ほどの日付のように観るたびに色んな発見があったので、もう何回か観たくなりました。

加藤 時間の流れがすごく心地よかったですし、映し出される風景もきれいでした。

桜井 〝お天気待ち〞することができるくらい、すごく撮影に時間を取っていただいた現場だったんですね。通常はいかに効率よく多くのシーンを撮影できるか、というところでやっているんですけど、今回はワンシーンごとにスタッフ、出演者みんなでチェックして。小林啓一監督も「じゃあ次はこうしようか?」というような感じで、時間にゆとりのある中、みんなで作り上げていきました。

加藤 ワンカットの長廻しのシーンも印象的でした。セリフを間違えたらやり直しになって大変だっただろうな…とか、余計な心配も(笑)。

桜井 今回は照明さんがいなくて全部自然光で撮って。陽の加減をはじめ、色んな条件が重なった時にしか撮影できないので、ゆとりのある中にも緊張感のある現場ではありましたね。

VVM 撮影はいつくらいに?

桜井 昨年の10 月の終わりごろです。秋から冬に変わる時期だったので、陽の入りが心配な時もあって。サッカー部が下校するシーンはかなりギリギリでしたね(笑)。

加藤 そういう絶妙な光の具合もあったんでしょうね。会話の〝間〞とかテンポが全体の心地よさを生んでいて。

桜井 間宮さんともども会話のテンポ感は気を配りました。

加藤 時に「アドリブかな?」と思うようなお芝居もあったのですが…。

桜井 アドリブなところもあれば、仕草とかまばたきひとつまで「このタイミングで」という細かな演出もあって。それが全部アドリブ…というか自然に見えるよう。不自然に見えないようにしようと、監督も含めてデスカッションを重ねました。

加藤 鹿野の、ちょっと挙動不審な動きもかわいらしかったです。

桜井 実際、鹿野はすごく動物っぽいので「ココ、ちょっとリスっぽく食べてみようか?」というような演出もあって。私も感情のまま動く鹿野がすごくかわいいなと思ったので、ババババ〜って(リスのまね)せわしなく食べたり、美味しいものを食べた時は笑って、悲しい時にはワーっと泣いたり。原作を読んで鹿野の魅力的な部分を膨らませたつもりです。

加藤 鹿野がリスであれば、小坂は動物に例えると何ですか?

桜井 何でしょうね?うーん…ネコっぽくもあるし。でも、キツネかな。

加藤 キツネっぽいです!漫画もそんな絵柄ですし。

桜井 漫画の絵柄といえば、鹿野って目に色が入ったり入らなかったりするんですね。そこは表情を作る上でのヒントになりましたね。

加藤 いわゆる〝寄り〞のシーンも多いですし、その桜井さんの表情で、こちらも一喜一憂しました。

桜井 ありがとうございます!

加藤 鹿野と桜井さんで共通するところ、違うところはどこですか?

桜井 違うところの方が多かったですね。鹿野は極端な寂しがりやですし。私は寂しくても何とか自分で消化できますが、彼女はそれを何かで埋めようとする女の子ですし。鹿野って性格的に矛盾しているじゃないですか?

加藤 寂しさを埋めるために「死にたい」と言ってはリストカットをしたり。かと思えば他者に対しては優しくて…例えばセミの死に対しても悲しんだりしますよね、鹿野は。

桜井 漫画では、そういう矛盾する言動、読めない言動が魅力的に映るんですけど、私が演じることで「気持ち悪いな」とか「冷めるな」と思われないかな、という不安も少しだけあって。

加藤 そんなことは全然なかったです。

桜井 であれば、よかったです。

加藤 では、共感できるところは?

桜井 まったくできないかといえばそんなことはなくて。鹿野は極端すぎるだけで、私も天邪鬼なところはありますし。わかるところもいくつかあって。

加藤 天邪鬼なんですか?

桜井 天邪鬼と言いますか、例えば鹿野は小坂に対して直接「好き」とは言わないんですけど、その感情は手に取るようにわかるじゃないですか?言葉で説明するのは難しいんですけど、そういう乙女心みたいなものは「わかるなー」と思いました。

VVM 『殺さない彼と死なない彼女』と、タイトルこそ刺激的ですが、そういう誰にでも思い当たる心の機微が描かれている作品ですよね。

桜井 私も最初タイトルを聞いた時はギョッとしたんですけど(笑)、すごく温かい作品だなと思いました。

加藤 鹿野とはいかないまでも、色んな悩み事があって毎晩眠れない夜を過ごしている同世代の人たちの心に刺さると思います。

桜井 私も鹿野くらいのころは人と比べてしまったり。周りにはそう見えていないかも知れないけど、人知れずコンプレックスがあったり。高校生のころにこの作品に出会ったら、少し背中を押してもらえたかなと思いますね。

きゃぴ子の「大好きだから先に振ったの」 ってセリフとか「それ、わかるな〜」って

加藤 好きなシーン、お気に入りのシーンはどこですか?僕は撫子ちゃんが八千代くんに「好き」だという一方的な感情を何度も何度も打ち明けて。八千代くんに呼び出されて…というシーンにキュンキュンしたんですけど。

桜井 (笑)。

加藤 ネタばれになるので言えませんが、その後の撫子ちゃんの思いに共感しましたし、心を打たれました。

桜井 原作漫画も、あの4コマの中に毎回、グサっとくるセリフがあって。きゃぴ子の「大好きだから先に振ったの」ってセリフとか「それ、わかるな〜」と思いました。

加藤 それが先ほどの〝乙女心〞というヤツでしょうか?

桜井 傷つきたくないという気持ちがそう言わせたんでしょうね。大好きだからこそ、フラれてしまった時の自分の心のキズを心配しちゃうというか。女子には一番共感しやすいキャラクターかも知れません。

加藤 駅の改札で「バイバイ」と言うともう会えなくなる気がするから「またね」って言ってほしいというシーンとか。

桜井 すごくわかります!

加藤 えっ!? 僕は「こ、怖っ!」と思ったんですけど…(笑)。

桜井 えっ、なんで?また会えるって、安心させてほしいというか。そういうのが乙女心じゃないですか!

加藤 じゃあ、きゃぴ子がその後、心の中で「バイバイ」ってつぶやいたあれは…。

桜井 あれは「もうないな」と思ったからじゃないですか?

加藤 なるほど〜。まだまだ修行が足りないですね、乙女心をわかるまでは。

桜井 逆に、男心という意味では八千代くん。あんなにかわいい撫子ちゃんにグイグイこられて、何ですぐにOKしないんだろうって。

加藤 いや〜、意識はしてるんですけど、OKって言えないんじゃないですか。八千代くんも撫子ちゃんから「好き」って言われた数をカウントしていましたし。彼も好きは好きなんだけど…言えない。

VVM 意識はしてるけど強がったり、OKって言う勇気がなかったり。周りの人にどう思われるかとか。要は自意識過剰。そういうお歳ごろなんじゃないですかね、きっと。

加藤 先ほど通り過ぎちゃった質問ですけど、桜井さんがキュンキュンきたシーンはどこですか?

桜井 一番は花火のシーン。このタイミングから付き合い始めました、恋人になりましたという具体的なシーンはないですけど、あの時の様子だけで小坂と鹿野の距離がわかる、関係性がわかるシーンなので大好きです。

VVM 傍から見れば、その言動にギョッするかも知れない2人ですが、小坂と鹿野の間ではそれが幸せで落ち着くという独特の関係性ですよね。

桜井 小坂も鹿野も孤立していてクラスでは浮いた存在ですけど、同じ匂いを感じて。2人でしか成立しない世界があって。周りは入ってこれない空気感があって。あそこまで激しくはなくてもちょっと憧れますね、あの関係性には。

加藤 距離が縮まるタイミングごとに食べ物が象徴的に使われていて。

桜井 そうですね。アイスに肉まん、イカ焼き。肉まんいっぱい食べました(笑)。すごくやり直したシーンで、合計8個くらい食べたんじゃないかな。秋〜冬の撮影だったので、アイスも冷たかったです。

加藤 ほかに大変だったシーンは?

桜井 物理的には、学校のシーンですかね。普通に授業をやっている日に場所をお借りして。 休み時間は隠れていて、チャイムが鳴ると屋上とかで撮影をして。「あと5分で授業終わるぞー、急げ!」みたいな感じでやってました(笑)。撮影場所の高校には本当に感謝したいですね。

加藤 バレなかったんですか?

桜井 私、街に溶け込むのが得意なんです。この間も事務所のスタッフさんとすれ違ったんですけど、全然気づかれないんですよ。

加藤 変装もせず?

桜井 メガネとかマスクとかなしで。

加藤 今目の前にいる桜井さんと鹿野も全然別人で驚いているんですけど、スイッチを付けたり消したり自在なんですねー。

桜井 映画は1年前の撮影でしたし、単にお化粧のせいかもしれないですけど、違って見えているのならうれしいです。

自分に唯一自信を持てるのが身体を動かすこと

加藤 では、今後やってみたい役などありますか?以前あるインタビューでアクションに挑戦したいとおっしゃっていましたが。

桜井 ぜひ、やってみたいです。学生時代はずっとバスケをやっていたこともあり、自分に唯一自信を持てるのが身体を動かすことなんですね。だから今、立ち回りですとか、格闘技を少し練習したりもしていて。

加藤 じゃあ、CGとか使ったアクション映画に?

桜井 映画も出てみたいですが、まずは「劇団☆新感線」さんの舞台に出てみたいなーという夢があります。舞台中、所狭しと動き回って。カッコいい立ち回りもあるので。

加藤 今後、共演してみたい方はいらっしゃいますか?

桜井 俳優さんではないんですけど、プロゴルファーの渋野日向子さん。同じ岡山県の出身ですし、歳も1つ違いですし、名前も同じ読みなので「Wひなこ」として(笑)、一緒に何かやれたらうれしいなーと思います。

加藤 僕は少し前までお隣の広島県にあるVVにも勤めていまして。瀬戸内ののんびりとした感じがすごくいいな〜と思ったんですけど、岡山はどんな街ですか?

桜井 映画に出てくる街と雰囲気が少し似ていますよね。ほどよく都会で、ショッピングモールがあって、すぐ近くには山も海もあって。

加藤 故郷への思いはありますか?

桜井 デビューした時に「岡山の奇跡」という、すごくもったいないフレーズを付けていただいて。それは今まで岡山にほかに女優さんがあまりいらっしゃらなかったから注目もしてもらえたと思うんですね。

VVM 俳優さんであればオダギリジョーさん、ミュージシャ ンは甲本ヒロトさんにB’zの稲葉さんら、男性はたくさんいらっしゃいますが。

桜井 そうなんです。お隣の兵庫や広島の出身であれば、こうしてデビューさせていただくこともなかったと思います。まずは目の前のお仕事を1つずつがんばりつつ。言っても私の原点ですので、少しでも何か恩返しができたらいいなと思います。あと帰省した際は、また思い出のVVイオンモール岡山にも行きたいですね。

加藤 お待ちしております!本日はお忙しい中、ありがとうございました。

『殺さない彼と死なない彼女』

2019年11月15日(金)より新宿バルト9ほか全国ロードショー

間宮祥太朗×桜井日奈子W主演! Twitter発の大人気コミックが待望の映画化。日本映画界注目の才能・小林啓一監督が描くニュータイプ・ラブストーリー。日々退屈な学校生活を送っている高校3年生の小坂れい(間宮祥太朗)と、リストカットを繰り返し「死にたい」が 口癖のクラスメート・鹿野なな(桜井日奈子)。ある出来事をきっかけに小坂は鹿野に興味を示し、彼女もまた彼に心を開く。やがて2人にとって一緒にいることが当たり前になるが…。 監督・脚本:小林啓一 原作:世紀末 出演:間宮祥太朗、桜井日奈子ほか  配給:KADOKAWA、ポニーキャニオン 公式サイト:http://korokare-shikano.jp/

1997年4月2日生まれ。岡山県出身。2014年に開催された『岡山美少女・美人コンテスト』で、オーディエンス賞、美少女グランプリを獲得しスカウト。『LINE MUSIC』のwebCMで話題となり「岡山の奇跡」と称賛される。2016年5月上演の舞台『それいゆ』で女優デビュー。同年7月『そして、 誰もいなくなった』(日本テレビ系)でドラマデビューを果たす。2018年4月公開の映画『ママレード・ボーイ』で映画初主演を飾った。8月より配信された主演ドラマ『ヤヌスの鏡』や9月公開の『任侠学園』など2019年も活躍。また『ヤヌス〜』の主題歌『花と毒薬』も話題!


本記事はVVmagazine vol.64に掲載されたものの転載です。

VVmagazine vol.64はコチラ

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