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ヒマつぶし情報

2018.09.21

【VVスタッフのただただ、会いたくて】みうらじゅんさん(後編)

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VVM通算50号を記念した特別号で、本誌第5号にご登場以来、

何かとお世話になりっぱなしの

“M r.VV”(勝手にスミマセンです!!)、みうらじゅんさんが再び登場!。

「ゆるキャラ」や「マイブーム」などの流行語を生み出してきた「一人電通」みうらさんが60歳にして語る価値観、そして楽しい生き方とは?

インタビューは、夫婦揃って大のMJファンという、VVイオン海老名店の大沢式子が務めます!



※本記事は、VVmagazine vol.50に掲載されたインタビューの一部を抜粋しています。

全部読みたいから
近くの店舗にもらいにいく

現世こそ地獄なんだから、真面目に生きない方がいいよね。
いかにふざけて生きるか。

VVM このへんで、細かい質問をいくつか。実は大沢さんのご主人もみうらさんの大ファンとのことで、質問をあずかってきたみたいです。

大沢 そうなんです。質問というより素朴な疑問なんですけど。

みうら 何なりと聞いて下さい。

大沢 まずは…免許ってお持ちなんですか?

みうら 持ってる…ワケないじゃないですか~(笑)。パスポート持ってかなきゃTSUTAYAのカードも作れないんだから。

大沢 (笑)

みうら でも一時期、新宿のTSUTAYAには、僕のコーナーがあったんですよ。「新宿でMJといえばマイケルジャクソンじゃなくて、みうらじゅんだよ」ってコピーまで書いてある横で、「すみません、本人確認が出来るもの、保険証以外にお持ちじゃありませんか?」って聞かれて(笑)


大沢 では2つめは…いろんなお仕事を幅広くされていますが、どのように時間配分をされていますか、と。

みうら イベントとかテレビの仕事は現場に行けばいいんですけど、文章はいつやればいいのか分からないんです。〆切はあるんだけど、ノッた時しか出来ないから、時間の配分がずっと分からないの。

VVM そうですよね~。

みうら 昔は引き出しに400文字、800文字、1200文字と、原稿を分けて入れてて。書けないと、そこから同じ文字数の原稿を取り出して送ったりしてたけど(笑)。全然バレなかったな~。どんだけ読まれてないんだって。

大沢 だからですね。みうらさんの本を読ませていただいていると、たま~に読んだ気がする…という時が。

みうら それは同じ原稿だからですよ(笑)。でもね、さっきの打ち出の小槌じゃないけど、“打ち出の小槌!”ってなったらそればっかり書いてるから。書けば書くほど濃くはなってるんですよ。日々、打ち出の小槌情報が増えてるんで。常に進行形、“打ち出の小槌ing”なんで、ズルしてない原稿でもチョット被ってる時はあるんですね。

大沢 そうなんですね。いろんなことが腑に落ちました!

みうら 東京の人って真面目じゃないですか? 関西の人って話を3倍盛るのは当たり前なんだけどね。

大沢 楽しんでもらおう精神で。

みうら そう、サービスですから。「前に読んだことがあるような…」って、それでもいいじゃん。新しい情報も入ってるんだから。「手を抜いてるんじゃないですか?」って、いいじゃん、少しくらい手を抜かせてくれても~ってなるよね。

大沢 そこありきで、読んでますしね。

みうら ね? そもそも不真面目な人が書いてるんだからいいじゃんって思うんだけど、なかなか伝わらないんですよ。

大沢 「でもチョットちゃうんやで」で、いいじゃんって。

みうら 一応、枕(落語の本題に入る前の小噺)が違いますから。古典落語と同じですよ。入口が違うだけで、オチは一緒。


大沢 (笑)。あとは、2月に還暦を迎えられましたが、何歳くらいまで生きたいですか、という質問が主人から。

みうら こればっかりは自分で決めらんないからね~…でも、あっち(あの世)の方がラクでしょう? 確実に。怖いものがないですからね。

大沢 地獄に落ちたら…とか思わないんですか?

みうら きっと地獄って現世のことなんですよ。平安時代の後期に書かれた『往生要集』って本があって。そこに書かれた地獄の描写がウケてベストセラーになったもんで、そのへんから地獄の設定が生まれたんですよ。

大沢 なるほど、そうなんですね。

みうら 神道には地獄がないんですよね。黄泉の国ってのがあるんだけど。でも人間ってね、いつか死ぬことを分かってて生きてるわけでしょ。それだけで地獄じゃないですか。

大沢 そうですね~。

みうら だから真面目に生きない方がいいよね。いかにふざけて生きるか。真面目になったら怖いでしょ。松本清張の小説で現世の地獄に落とされる主人公なんて、みーんな真面目な人なんだから。コツコツやって小金を貯めて、幸せな家庭を築くんだけど女作って…ってね。

大沢 そこを乗り越えられたわけですね?

みうら 乗り越えようと、がんばってる途中ですね。

大沢 どうすればいいと思いますか?

みうら すごく悲しくなった時に、急に口笛を吹くとかさ。そうすれば「コイツ、ヤバイな」って脳の方もビビるんじゃないかと思うんだよね。

大沢 何だか気がラクになりました。


みうら ほかに何かありますか?

大沢 えーっと、髪を切る頻度は?

みうら 割りと美容院には行くんですよ。ボサボサ髪の毛の代表みたいに言われがちですけど、それは間違いです。僕は若い頃から、そこそこ高いシャンプーを使ってケアしてますしね。ボサボサ髪というか年齢の割にはサラサラですから(笑)。

大沢 分かりました(笑)。あと一番高かった「いらないもの」は何でしょう?

みうら コレですね(事務所のソファに鎮座する、おなじみのラブドール)。1ドル100円の時代に、1ドール70万円ですから。しかも性的な目的で使用するわけじゃなく、置物として買ってるからそりゃ高いよね。

大沢 先ほどおっしゃってた「誰が買うんやろう?」という疑問から買われたんですか?

みうら 周りの同世代が車だ家だと高級なものを買い始めた時期に、僕は「じゃあ、高級ドールだ」って。

1958年2月1日生まれ。京都府出身。武蔵野美術大学在学中の’80年に漫画家デビュー。’97年「マイブーム」で新語・流行語大賞受賞。

「2005年日本映画批評家大賞功労賞」受賞。’18年「仏教伝道文化賞沼田奨励賞」受賞。「ゆるキャラ」の名付け親としても知られている。著書に「『ない仕事』の作り方」(文芸春秋刊)など多数。連載多数。

記事元

こちらの記事は、ヴィレッジヴァンガード公式フリーペーパーVVMagazine vol.50で読むことができます。

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