ヒマつぶし情報
2018.09.12
HONEBONE『ナマリ』発売記念コラム(後編) スカっとする映画はコレだ!会議
高円寺生まれ高円寺育ちのふたりによるフォークデュオ・HONEBONEによるコラム、前編ではミニアルバム『ナマリ』の全曲レビューをしていただきました。後編は、ヴィレヴァンを意識したカルチャー的なテーマ、「映画」について!
前編はこちら >> HONEBONE『ナマリ』発売記念コラム(前編)『ナマリ』座談会

「『ナマリ』聴いてスカッとしました」という感想にちなんで「スカッとする映画特集」
K:OK、じゃあ『ナマリ』についてはもう飽きたから別のテーマも考えとこう。
E:やっぱ私が語れるのつったら映画かな。映画コラムもやってるしね。
K:じゃあ『ナマリ』は「腹の中のドヨ~ンとした気持ち」がテーマだから、「ドヨ~ンとする映画特集」とか?『ファニーゲーム』とか、『ミスト』とか…
E:いや、それが、聴いてくれた人からは「『ナマリ』聴いてスカッとしました」なんて意見が多いのよ。だから「スカッとする映画特集」にしようぜ。
K:OK、そしたらまずは映画コラムニストから、スカッとする映画をプレゼンしてくれよ。人気映画コラムニストから。
E:ハードル上げんなよ。難しいな…私はホラー映画専門だからな…。
K:……じゃあ、「ない」ということで。
E:あきらめ早いよ。…よし!私は『最凶女装計画』にするわ!

出典:Just Watch
K:お~。
E:カワグチさんも観たよな?
K:うん。でも、ここで観てない人にプレゼンするとしたら?
E:2人の黒人刑事が、ある事情で超セレブ白人女性に扮して潜入捜査して事件を解決するんだけど、これがもう全シーンおかしくってさ。絶対見た目おかしいっていうか、そのセレブに全く似てない超キモい姿なのに、みんな飲み込んでる様子がめっちゃ面白い。何度もバレそうになるけどバレないところも、観ててハラハラドキドキポイント。最後は、悪党倒す時の黒人刑事感満載のアクションシーンでスカッとするよね!
K:ラストでスカッとする、と。黒人刑事感てなに?新しい言葉だな。
E:マッチョででかくて、めっちゃ強いし声も低い。
K:声も低い。
E:そう。
K:全然わかるんだけど、バカみたいな説明になっちゃったね……。 それまでの白人女性のフリしてる時とのギャップがいい、みたいなことかな。
E:説明難しいね。明らかに見た目が変なのに、登場人物がみんな「ん??ちょっとおかしいな。ま、いっか!」くらいで済ませるところが、見ていて「は!?飲み込むのはえー!」と思う。
K:そこは考えなくてよし!と。なんでちょっと見た目が違うのかって、作品内で言い訳するんだっけ?
E:「整形して流行の顔にしたのよ!」とか言うんだよね。「脚もちょっと伸ばしてみたわ」とか。それで周りの人も「ふーん」みたいな。
K:(笑)
E:まあ今口で喋ってるからアホみたいだけど、コラムにするときはもっとちゃんと書くよ。
K:頼むよ。じゃあ俺のオススメいっていい?
E:興味ないけど、どうぞ。
K:カワグチが薦めるスカッとする映画は『イコライザー』。観たことある?

出典:Amazon
E:聞いたことあるのに、観たことねえや。
K:カスだな。
E:ネーミングセンスが、童貞っぽい。童貞好み。
K:もうすぐ2が公開されるから見とけや。
E:まず、女子を度外視してる感じがある。モテなさそう。
K:たしかに、『イコライザー』って単語きいてもどういう意味かわからないもんな。
E:「カワグチのオススメ、『イコライザー』!」って言われたら、タイトルで「ああー、ぽいな~」って思ったもん。カワグチさんの肩書き、イコライザーでもいいと思う。
K:「HONEBONEのヴォーカルEMILYと…。」
E:「イコライザーのカワグチです。」いいじゃん。
K:……中身について話していい?
E:どうぞ。
K:デンゼル・ワシントン扮する、なんてことない黒人のオヤジが、たまたまある少女と出会うんだけど、その少女は町のギャングに無理矢理買春させられてんのよ。本当は歌手志望かなんかなんだけど。で、よくある展開だけど実はデンゼルワシントンは特殊な訓練をうけた殺人マシーンだった、と。あとはお察しの通り。
E:ほう。
K:これのスカッとポイントは、殺し方です。
E:『十三人の刺客』よりもスカッとするわけ?
K:スカッと度合いでいけば上だな。
E:は!?そんなはずない。
K:『十三人の刺客』は結構仲間死ぬじゃん。ほぼ死ぬじゃん。
E:そうですけど。 ネタバレもいいところよ
K:観てない奴が悪い。
E:暴力的だな。で、殺し方がいいんだっけ?
K:デンゼル・ワシントンは、まず殺し始めにストップウォッチをスタートさせます。その場の状況をよく見て、どの道具が殺人に使えるか計算して、何秒で殺せるかを割り出します。
E:おおお!なんかいいね!
K:だろ!ほんで後はもうテンポよくシャコシャコ殺すんですわ。シャコシャコ!つって。
E:時短テクニックの、家事えもんのようだ!あと刃牙っぽさもある。
K:そうそう。殺してる間は無表情なんだけど、終わってストップウォッチ止めるじゃん。そうすると予定の時間ちょっと過ぎてたりして、「俺も腕が落ちたな」みたいなおどけ顔すんのよ。かっこいいい!!
E:いいね!!観たくなってきたよ。童貞ゾーンに私も入れてくれや!
K:まあたしかに童貞の憧れかもな。普段はショボいのに実は…って。
E:「冷静に殺す」とかも好みだよね。下半身は動かさずに腕だけで殺す、みたいな。「下半身動かさない」ってのも童貞感あるよね。
K:下半身の件はあんたの想像でしょ!イコライザーは下半身動いてたと思うよ。
E:まあでも、少なくとも私には刺さったな。観てみたいわ。『ナマリ』の「鉛を額にぶち込む」って歌詞ともなんとなく合ってるしな。
K:たしかに。あと童貞で思い出したんだけど。
E:うん?
K:恋愛要素が全然なかった気がする。その娼婦の女の子とも別にいい感じにならなかったんじゃなかったっけ…。
E:それだよそれ。まあでも恋愛要素なんて、見慣れて来ると邪魔な描写なんだよ。これからは、ないのが理想。
K:だよな。恋愛邪魔。じゃあスカッとする恋愛映画を答えよ。
E:えー…。
K:…。
E:…。
K:あ!
E:…。
K:『イェスマン』、どう?
E:(無視)『デッドプール』か、『マスク』しか出てこなかったんだけど。
K:恋愛映画って言ったのに…。
E:恋愛廚は『マンマミーア』でもみとけカス。
K:『マンマミーア』恋愛だっけ?母と子の関係みたいな感じだった気が…。『デッドプール』は見てないんだけど、恋愛要素あんの?
E:ヒロインちゃんがすぐ死ぬんだけど、ちゃんと2まで出てくるのよ。
K:死ぬけど出てくる?
E:天国のシーン的な。回想シーンも多めで。俺ちゃんの軸は、奥様ってわけよ!
K:心にはいつもワイフ?
E:せやせや!
K:へえ。じゃあ恋愛物としても観れるの?
E: 観れる!キスシーンもセックスシーンもきちんとやります!ヤラせていただきます!
K:それ、恋愛なのかな…。
E:たしかに。あれを恋愛要素って言ったら世間の人に怒られそう
K:だろうな。
HONEBONEに恋愛なんて絡められねえっすよ。
E:(諦めて)そういうことなんだよ。HONEBONEに恋愛なんて絡められねえっすよ。『ナマリ』にもいわゆるラブソングは1曲もないし…。
K:(諦めて)結論!恋愛厨は『ララランド』観とけ!ビュリフォースター!
E:もしくは、『シェイプオブウォーター』の魚人のキモさをキモいと言わずに素敵な映画だよね、と言いやがれ。キモすぎて無理だった。
K:(笑)『スプライス』見た?
E:あーなんだっけそれ。また童ちゃんの匂いがしそうな…。
K:しねえよ。
E:キアヌ・リーブスのアナルの匂いがしてきそうなタイトルだな。
K:(声にならない爆笑)
E:(声にならない爆笑)
K:くさくねえだろ!キアヌのアナルは。
E:くさいよ!
K:字面から発想しただけじゃん。どっちかというとアナルよりアヌスだろ。
E:そいでそいで?『スプライス』がなんだって?
K:キアヌにもってかれたからもういいや。
E:キアヌス。
K:(声にならない爆笑)
E:(声にならない爆笑)
K:(1分後)……じゃあ最後に。
E:(涙目で)うん。
K:キアヌへの罪滅ぼしのため、キアヌの映画で一番かっこいいのをあげて終わりにしよう。
E:『ジョン・ウィック』じゃね?

出典:Amazon
K:おお!
E:犬殺されて殺人鬼になるって設定には泣いた。気持ちわかるわ。
K:それは面白そうだ。観よう。じゃあ結論!HONEBONEオススメのスカッとする映画は『ジョン・ウィック』です!いいかな?
E:(スタンディングオベーション)
K:『ジョン・ウィック』になった経緯をどうやってコラムで説明するかだな。もう今日の会話このまま載せるか…。
E:犬の仇はキアヌスが取ってくれるよ!
K:もう今それで笑えるモードじゃないから。流行り終わってんだよ。
E:クソが!
HONEBONE『ナマリ』はオンラインストアで。

アメリカ×日本のハーフEMILY(ヴォーカル)と日本人KAWAGUCHI(ギター)の男女J-POP/フォークデュオ。
ライブでは『目標は綾小路きみまろさん』を掲げ、『ギター漫談』とも評されるEMILYのMC、そして地味な男ながら『EMILYちゃんより目を引く』と言われがちなKAWAGUCHIの顔面パフォーマンスが見どころ。
音楽以外でも、フォロワー1.5万人を超えるEMILYのInstagram(@emily_honebone)が話題。人気TVアニメソングのMV出演やコスメブランドのCM、TOYOTAのWeb広告等のモデル業をこなし、幅広い世代から支持を受けている。
2018年には笑福亭鶴瓶と上柳昌彦らが司会を務める「お気に入りライブ」にも単独ゲスト出演。
TOUR 2018『お命頂戴 お金頂戴』
2018/11/03(土・祝) 愛知・名古屋 sunset BLUE
2018/11/04(日) 大阪・アメリカ村BEYOND
2018/11/18(日) 東京・渋谷TSUTAYA O-nest