品川駅から、京急の特急でわずか約52分。都心からも気軽に日帰りで遊びに行ける距離でありながら、歴史・グルメ・観光…そして異国情緒あふれる魅力的な観光地でもある “浜の街”ヨコスカ。
今回は、横須賀をよりお得に満喫できる「よこすか満喫きっぷ」をご紹介いたします!!

このきっぷを発行しているのは京急さん。その内容は…

①京急内の出発駅~追浜駅までの往復乗車券
②追浜~津久井浜駅間のフリーパス
③②のエリアの京急バスフリーパス
そして、こういった交通機関のきっぷ以外に
④グルメを楽しめる「食べる券」・観光を楽しめる「遊ぶ券」、さらに近隣施設の優待券

がついてきます。つまり、この券1枚で横須賀の観光を“大満喫”できちゃうんです。
さらにお値段は、品川駅発着でデジタルきっぷにした場合はなんと3450円と、実にオトク!!

「食べる券」の内容も、横須賀名物の海軍カレーやハンバーガー、さらには地産地消の地元グルメまで様々です。また、「遊ぶ券」も収穫体験から日帰り温泉、美術館、そしてお土産券と多種多様。何度使っても、別な楽しみが出来るのが特徴的です。
そんな中、今回の私のプランのテーマは「歴史」そして、はしご酒!!

「歴史」をたどるべく、横須賀中央駅からまず向かったのはフェリー発着場です。ここから向かうは、東京湾に浮かぶ唯一の自然島であり、湾内最大の無人島でもある猿島。
BBQを楽しめる事でも知られており、平日にも関わらず、乗船所は観光客で賑わっていました。私達も無事に乗船券をゲット!
この乗船券も、「よこすか満喫きっぷ」の優待券で、お得な割引料金になります。横須賀市外の大人は、通常往復1,500円➡1,350円へ、さらに入園料の500円がかかりました。

さぁ、それではかっこいい「NEW KUROFUNE」にて、大海原に出航です!!
…といっても、猿島まではわずか約10分。ほんのつかの間の船旅ですが、まだ暑い日差しの中での潮風が心地いい。

さてこの猿島というのは、周囲約1.6km、面積約55000㎡と決して大きくない島ですが、外国から首都を防衛する要塞として、江戸末期から昭和にかけて軍事施設が作られ、今も遺構が多く残っています。自然へと還りつつ残る遺構が、まるでジブリの「ラピュタ」の世界のようと話題でもあり、観光客からも人気の島です。

島に着いたら、まずは腹ごしらえから。猿島にある唯一のカフェ「猿島オーシャンズキッチン」でも「食べる券」が使用可能です。この券でいただけるのは、横須賀名物「よこすか海軍カレー」、さらには牛乳とポテト付き!!お店のイチオシメニューです。まるで給食のようで微笑ましいですが、ここにハイボールを追加するのが伊藤流。

横須賀のお野菜をたっぷり使った具沢山のカレーは、実に美味しかったです。

満腹になったところで向かうのは、猿島探検ツアー!!
船会社さんがやっているものと、猿島公園専門ガイド協会さんがやっているものと2種類ありますが、今回は後者へ!こちらは90分で600円。この日は空きがあり、当日でも受付してくれました。
ちなみに、船会社さんがやっているツアーは「遊ぶ券」を使用して、体験することもできます。

江戸時代末期に日本初の砲台の台場が作られ、明治時代に東京湾要塞が建設された猿島。第二次世界大戦終了まで、首都・東京を守る要として存在していました。そういった背景もさながら、苔むした切通の道は実に幻想的です。

ガイドに参加することで、島の歴史や自然について教えていただけるのはもちろん、通常は鍵がかかって入れない場所にまで入れていただけます。
こちらは兵舎跡。

弾薬庫跡の中にて…。
弾薬は、滑車を使い人力で地上まで上げられていたそう!!

「ラピュタ」の世界…と言われるのも納得。様々な要因が絡み合い、こういった姿で遺されることになりました。

山頂は開けており、現在は展望台となっています。猿島は特撮の撮影所としても人気だそう。例えばここは、あの“ショッカー”さんのアジトでした!
現在はこうして、ただの観光地へとして存在していることに感謝しつつ…再び、横須賀の街へと戻りました。

戻ってきたフェリーの乗降場から徒歩1分の所にあるのは、「よこすかポートマーケット」。こちらには横須賀、そして三浦半島の味を楽しめる飲食店やお土産屋さんが集っています。ここにてアイスコーヒーでほっと一息。「遊ぶ券」をこのポートマーケットで使い、お土産を買うこともできます。

ですが、私が「遊ぶ券」の使い先に決めたのは…世界三大記念艦「三笠」の入艦券。「三笠」は日露戦争においてバルチック艦隊を撃破して、日本に勝利をもたらした軍艦です。その功績により記念艦として保存され、現在も中に入ることが出来ます。

明治33年、建造当時のチーク材の甲板も残っていました。教科書で見知っただけの、遠い世界…そう思っていた歴史が急に色づいてくる感覚が、とても不思議。実際に使われていた砲台、東郷平八郎さんが指揮していた場所なども復元されています。

また、艦内には「三笠」をはじめとした日本海軍や戦争についての資料がある展示室や、当時の姿が復元された部屋があります。歴史の変遷の中、何度もその存続が危うくなっていた「三笠」。今こうして、その姿を見られてよかったです。

歴史をたっぷりと感じた後は、はしご酒へと繰り出します。
まず、向かうは「どぶ板通り」!! 戦前は帝国海軍の、そして戦後はアメリカ軍の街として、日本でありながらも異国情緒あふれる通りです。通り沿いにはアメリカにルーツを持つお店が並び、その店内も海外の方ばかり。その中で訪れたのは、「ALEX’S SALOON」。アメリカナイズされたお洒落な店内で、おつまみと共にお酒をいただけます。普段は飲まないスミノフで伊藤もカンパイ!
ゆったりと流れる音楽と、まるで映画の中のような空間が心地よい。しっかりと“準備運動”をした後は…

横須賀中央駅前に戻り、今度は実に“ぐう渋”な焼鳥屋「相模屋」さんへ。横須賀中央駅付近は、渋い居酒屋が多く、私のお気に入りエリアの1つなのです。その中でもこちらは、1962年創業となかなかの老舗。1串150円と明朗会計、激安な焼き鳥は店頭にて立ち食いも出来ます。ただしそちらでは飲酒はできないので、のん兵衛としては店内でいただきたい。

かりっとした焼き加減にふわふわのお肉がたまらない焼き鳥に、かためのお酒がたまらない。
すっかりほろ酔いになった後、最後の締めに向かうのは…

これまた、横須賀中央駅前にある「若松マーケット」。戦後のヤミ市を起源として、昭和30年代から40年代に栄えていたという、こちらも歴史古い横丁です。最近は若い方が経営するお店も多く、ほどよく活気づいているイメージ。

ここにて、まるでRPGのような出来事が…。
以前訪れた事のあるお店を探し、「あれ~この辺だったのにな…」と話していたら、通りがかりの方が先月閉店したことを教えてくれました。なるほど、せっかくならば…とお勧めの一軒を伺ったら「俺の弟がやっているゆりってお店に行ってあげてよ」と教えてもらい、「ゆり」へと行く事に…。
しかし、いまいち場所がよくわからない。「ゆりってここかな~?」なんて友人と話していたら、「ゆりはこっちですよ!!」と、またしても見知らぬ方が声をかけて教えてくれたのです。
そんな事がなんともう1回あり、無事に「ゆり」にたどり着けました。

こちらも立ち飲みでリーズナブルに、お酒を楽しめる素敵な酒場。若松マーケット名物の「横須賀ブラジャー」(ブランデー×ジンジャーエール)もいただけます。実に楽しく、あっという間に終電間際の時間へ。

歴史に観光にグルメ、そして酒場と魅力たっぷりの横須賀。
今週末、「よこすか満喫きっぷ」片手にふらり訪れてみてはいかがでしょうか?


今回の探索人

伊藤桃

Instagram:https://www.instagram.com/itomomo_tetsu/
X:https://twitter.com/itomomomo