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ヒマつぶし情報

2020.04.16

ウサギたちの“なにも起こらない日常”がたまらなく愛おしい! 漫画『ウサ太夫』を読んで心を浄化しよう【VVmagazine vol.69】

 新型コロナウィルスの影響で街を歩く人は減ったし、経済も落ち込むしで、ココ最近良いニュースが無い! せめて気持ちだけはゆとりをもっていたいよな〜っていうときに『ウサ太夫』は最高の漫画だ。3匹のウサギ、ネコ、クマ(ウサ太夫、ネコ太郎、クーマ)が、毎日を“ノリ”だけで乗り切る姿をひたすら描写しているのだが、絶妙なゆるさに癒ししか覚えない。作者の髙野F氏に『ウサ太夫』が誕生した経緯などを聞いた。ちなみにVVmagazine初登場どころか、メディア初インタビューっぽいですよ。


─書籍化おめでとうございます! そこに至るまでの経緯を聞かせてもらえますか?

「これまでは自費出版の同人誌などで好き勝手やらせていただいたんですが、去年、担当編集の方から『書籍化しないか』という連絡をもらったんです。正直『これが商業用で成り立つのか』と戸惑いましたが(笑)、最終的にはいい感じで収まって感動しています」

─そもそも、この主役でもあるウサギのウサ太夫はどのように誕生したんですか?

「実はウサギにはあまりこだわりがなくて……」

─マジですか(笑)。

「途中でトドに変えようと試行錯誤していたぐらいなんです(笑)。2015年に友人のバンドマンが、地元の沖縄県で無料の音楽フェスをやったんです。僕はそれを見てあまりにも感動して、身内に向けたパロディとして『太夫音楽祭』というイラストを書いたんですが、すでにそこではウサギがモチーフでしたね。3匹登場させているのは、『コマが落ち着く』っていうのと、『3匹だと話が広げやすい』っていう自分の中でのルールです。バンドで、ゆらゆら帝国(3人組)が好きだったのも大きいですね」

─まさに音楽ネタが多く登場してますよね。YMOの『君に胸キュン』遊びだったり(笑)。

「高校から20代前半までバンドをやっていて、その関係で音楽を聴くことが多かったんです。特に古いブルースやロックが好きで、邦楽でも(忌野)清志郎とか、はっぴいえんどとか、山下達郎を聴いてました」

─それ以外のネタはどこから思いついているんですか?

「普段会話している中で、“ひっかかるワード”をメモしてそこから膨らませています。食堂のおばちゃんの雑談からピックアップしたり」

─具体的にどの回ですか?

「『郷土菓子』という回ですね。ただ『タンナファクルー』っていうお菓子の名前を聞いて爆笑するっていうだけなんですけど(笑)。本土で言ったら何になるんだろう……どら焼きの皮が乾燥したような黒糖味のお菓子です」

─わかりにくいです(笑)!

「そこのお菓子を考案した人が『玉那覇(たまなは)』っていう名字なんですけど、かなり色黒だったみたいで。『玉那覇 黒い』がなまってタンナファクルーっていう名前になったみたいです……こんな感じで地元ネタが結構多いですね」

「タンナファクルー」に爆笑するウサ太夫たち

─『ウサ太夫』はいわゆるシュールな分野の作品だと思うんですが、高野さん自身そうした漫画が好きだったんですか?

「高校生のとき『アックス』(前衛的な作品が多く収録されていた『月刊漫画ガロ』の後継誌)が好きで読んでいました。その頃って、沖縄にサブカル本があまり出回っていなくて、那覇にある桜坂劇場の一部コーナーでしか手に入らなかったんですが、当時は頻繁に通っていましたね。画力に関係なく掲載されていた『アックス』に出会えたことも、漫画やイラストを描き続けていく希望になりましたね」

─『ウサ太夫』の今後はどうなっていくんですか?

「実はまだ出していないキャラクターが200体ぐらいいて(笑)。以前、『1日でキャラクター100体を考える』というタスクを自分自身に課していて、3日で300体を考えたんです。今後ちょっとずつ出していこうかなっていう感じです」

─いまや沖縄では看板もできて、確実に広まっていますね。

ネコ太郎の看板標識

「ああ、あれは周囲の人たちが思いついたことをすぐやってしまう人たちなんですけど、交通標識作ろうぜってなったら、その日のうちに木を切ってペンキを塗って、結局一日で完成しましたね。DIY精神の強い方に囲まれていて毎日やっています」

─これからも『ウサ太夫』を応援しております!

「あの……インタビューってこんな感じで大丈夫ですかね?」



<プロフィール>

髙野F(タカノ・エフ)さん

沖縄県在住のイラストレーター、漫画家。以前は「暗い話ばかり描いていた」(本人談)が、2015年ごろに発表した「ウサ太夫」のイラストシリーズがSNSを中心に反響を呼ぶ。今回が初の単行本出版となる。

<作品情報>

『ウサ太夫』(扶桑社)

ファンキーでキュートなウサ太夫、しっかり者のネコ太郎、とってもいい子なクーマの三匹が織りなす“ユルかわ”なライフストーリー。季節のサングリアを飲んだり、コーネリアスのCDを想像でつくったり、割れたスマホの画面にオロナインを塗ったり……。“とくに何もせずに居るだけ”の三匹を見ていると、心が洗われるようです。(定価1,000円+税)

本記事はVVmagazine vol.69に掲載されたものの転載です。

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