ヒマつぶし情報
2019.05.31
フィッシュマンズのドキュメンタリー映画が実現!!茂木欣一が結成約30年を振り返る
このインタビューは2019年4月25日発行VVマガジンvol58に掲載された記事の転載です。
ファン卒倒のニュースが飛び込んできた!
なななんと、伝説のバンド・フィッシュマンズが、ドキュメンタリー映画を制作中だそうだ!
企画に参加しているのは、フィッシュマンズのメンバーであり、東京スカパラダイスオーケストラメンバーでもある、茂木欣一さん。
現在、モーションギャラリーのサイト(「FISHMANS クラファン」で検索!)で、クラウドファンディングも実施するという(目標金額に達しなくても映画は制作される)
どんなドキュメンタリー映画になるのだろうか。その真意を茂木さん本人に聞きました!

──今回のドキュメンタリー映画の企画は、とあるプロデューサーから提案されたそうですね!
「去年の夏だったかなあ。嬉しかったですよ。そのプロデューサーとは古い付き合いで、フィッシュマンズのことを好きでいてくれているというのも知っていて。
2019年は(メンバーの)佐藤くんが亡くなって20年で節目の年なので、時の流れ、サイクルみたいなものもあったのかな。いいかたちにできたらいいなと思っていて。
僕はライブでフィッシュマンズを伝えて続けているけれど、映像で伝えてくれる人がいるなら、しかも、古い付き合いだから、遠慮なく意見を言い合えると思って、快諾しました」
── 結成から30年以上ということで映画を撮ることが決まり、原点を振り返ることもあったと思います。
「ワイキキ・ビーチ・スタジオ(フィッシュマンズの音作りにかかせないスタジオ)で過ごした日々は今でも思い出に残っていますね。本当に一日中、録音して、ご飯食べて、遊んで。
20代って凄く時間あったなーって。一日中テレビゲームしたりとか、ずーっと音楽を聴いたり。
今は歳を重ねて、家庭があったり子供がいたりして変化したけど、20代の頃のあのスピード感って特別だったなって。ヒマだったなーって。
フィッシュマンズの初期のころは本当にヒマだったよなー(笑)。2週間くらいオフだったり。凄いのんびりしてた。
今だったら夢のようですよ。ドライブしまくったり、一日中、渋谷の街を歩き回ってレコード屋さん巡りしたり。本当に時間がありあまるほどあったんだよね」
フィッシュマンズの音楽をやるときは、ノスタルジーという感覚はまったくないんですよ。
──あの頃の時間はゆっくりと流れていたんですね。
「今よりも全然『待つ』ことができたんだよね。
今は、待たずに情報を知れちゃうし、買い物もすぐにクリックで買えちゃうし、何かを期待するっていう待ち時間の長さが短くなっているし。
何かを面白いって思う長さがわりと短くなって、盛り上がりがすぐに下がっていく。
そして発信する側もどんどん情報を出していこうとするから、楽しみはいっぱいあるんだけど、ひとつのことにどっぷり浸かっているのが難しくなっているのかもしれないね。
そういう熱意を忘れたくないというか。
今だと簡単に掘っていけるから、深い作品は作れるの?って言われたら、問われるじゃないですか?『君の音楽だってすぐに消費されるよ』って言われたら、悔しいじゃないですか。
そんな時代のなかで、消費されない作品を作るということが常に課題で、そう考えるとフィッシュマンズの作品は時の流れにまったく負けないですね。
時代が変わっても、残り続けている。2019年に普通に鳴り響ける音楽だと思っているからやっているというか。
フィッシュマンズの音楽をやるときは、ノスタルジーという感覚はまったくないんですよ。完全に現在進行形なんです」
── フィッシュマンズの音楽は今の若者にも人気がありますよね。
「とっても嬉しいです。93年にリリースした『いかれたBaby』って曲があって、これは絶対みんなに聴かれる凄い曲だと思ったんだけど、まったくヒットしなくて(笑)。
でも、今も若い人が聴いてくれているってことを知って、当時の売上げとかは関係なく(笑)、間違いじゃなかったんだって」
ドキュメンタリーは現在絶賛撮影中。
ドキュメンタリーだけに、結末は撮影終了までわからない。
豊富な過去映像が使われるといったこと以外は、どういう展開になるのか、どのような結末を迎えるのか、監督自身もわからない。
きっと未知なる新たなフィッシュマンズの伝説を目撃することになるはず!
【まだ間に合う】本日最終日!クラウドファンディングはこちらから!

VO.佐藤伸治が1999年に惜しくも亡くなり、その後21世紀に入ってなお多くのミュージシャン、クリエイター、新世代リスナーからの熱い愛を集め続けている孤高のバンドフィッシュマンズ。
そのフィッシュマンズのドラマーとして1991年にメジャーデビュー。
2001年からは東京スカパラダイスオーケストラに加入し活動している。