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ヒマつぶし情報

2019.05.17

MONO NO AWARE・玉置周啓と神保町の古書店でただただ“映画トーク”するはずが……思いがけず深い話に

このインタビューは2018年11月25日発行vvマガジンvol53に掲載された記事の転載です

常日頃VVmagazine読者には「最近の良いバンドを知ってほしい!」と思っているが(勝手ながら)、MONO NO AWAREは、絶対に推さねばならない、いや「推し忘れていた」バンドの一つだ。

男性3人・女性1人の4人組編成で、今年8月に2ndアルバム『A H A 』をリリース。

特徴的なのが曲ごとにガラッと調子が変わることで、ときにラップのように韻を踏んだかと思えば、すべて漢字の歌詞を音読みで歌うなど、「こういうバンドだよ」とひと言でカテゴライズできない。

そして今回、

「映画好き」というボーカル&ギターの玉置周啓さんと映画パンフレット店でただただ映画について語ってもらおうと考えていたが……

どうやらその映画がMONO NO AWAREの楽曲に大いに関係していることがわかった!


僕には一枚の美しい絵をずっと見ているかのように、映像が強烈に印象に残っているんですよね

──(無数のパンフレットを二人で眺めつつ)邦画洋画問わずに観ているんですか?

「どっちかというと邦画が多いですね。僕、"ガロ系"の漫画(商業性とはかけ離れた前衛的で実験的な作品が多い)が好きなんですが、

映画においても同様で、観たあとに感情が描きづらい作品が好きです。

一見意味がわからなくて、言葉では説明できないけど、作品の良さが確かに感じられるものというか。

「その中では、寺山修司監督の『田園に死す』がトップクラスに好きですね。特にラストは興奮します」

── 新宿駅前で二人正座して食事しているシーンですよね、今でも意味がわからないです(笑)。

ほかに好きな映画ってありますか?

「特別に多くの映画を観ているわけではないですけど、『月光の囁き』(塩田明彦監督)はすごく印象に残っています。

もともと青年漫画の実写化で、それこそ青春映画っぽく仕立てあげられていましたけども、それだけでは片付けられない何かを感じました。

主人公が恋をしていたヒロインの性行為を覗くシーンがあったり、ラストでは滝壺に飛び込んだりと一筋縄ではいかない展開で」

── 僕もその映画好きなんですけど、ヒロインの方がすごい色っぽいんですよね。

「そう! つぐみさん(女優。現在は休業中)ですよね。

二次元、というか創作されたキャラに恋したのは、あの人が最初で最後だと思います。

見た目から小さな所作まで完璧に見えたんですよね」

── それを観た大学時代に玉置さんと語り合いたかった(笑)。ほかにはあります?

「あとは石井(岳龍)監督の『ユメノ銀河』ですかね。

これは公開が1997年ですけど、大正時代の設定の話で、人によっては……例えば母親とかが見たら『平坦なストーリーね』とか言うと思うんですけど(笑)、

僕には一枚の美しい絵をずっと見ているかのように、映像が強烈に印象に残っているんですよね。

これも言葉で表しづらくて……詳細は忘れているぐらいですし(笑)」

── 感想を簡単に言語化出来ないものが玉置さんにとっての「良い映画」の条件だと。

「そうですね。昔、高畑勲さんの『かぐや姫』を友人と映画館に観に行ったんですが、『みんなが知っているかぐや姫の話だったね』というひと言の感想で終わらせていたのがショックで(笑)。

それは音楽でも一緒で、『この曲は悲しい曲』『この曲は失恋したときに聴く曲』と分類されちゃうと、そのシーンでしか聴かれなくなってしまうし、作る必要性がないなと思っていて。

だから歌詞には感情描写を直接落とし込まないようにはしています」

── 曲作りにおいて映画からインスピレーションを受けることはあるんですか?

「あ、あまり言ってないですが、ほぼそうですね。ひとつ前のアルバム(『人生、山おり谷おり』)では、歌詞を書くときにインスピレーションを受けた映画で使われていた音楽をサンプリング

して、ギターソロで活かしていたりしています。

なので引用した映画がわかれば、歌詞の理解もより深まるという。

10曲目は『田園に死す』がメインになっているので……って、説明しちゃうこと自体野暮になっちゃうんですが(笑)」

──「玉置さん、面白い映画教えてください!」という流れを考えていたので、まさかMONO NO AWAREの音楽に昇華されているとは思わなかったです(笑)。

「いま録っている次の作品でも映画からのインスピレーションを大いに受けていて。

先ほど言った通り、僕は映画の幅広さをまた把握していないので、今後どんな作品に出会って、どんな感想を持つんだろうとか、楽しみが増えますよね。

そうしたらもう一度この店に来ます(笑)。

というか、今日かなり感動しているんですよ。

自分が知らないカッコいいジャケットの映画がまだこんなにあることに……!」

インタビュー後、玉置さんの創作に影響を与えた『田園に死す』(写真上)などのレアなパンフレットを発見! 

手にとった瞬間「買ってもいいですか! あ、でも今手持ちがないんだった…」とマネージャーさんに頼み、無事手に入れていました。


2013年に結成。東京都八丈島出身の玉置周啓(Vo/Gt.)、加藤成順(Gt.)と、同級生の竹田綾子(Ba.)、柳澤豊(Dr.)で構成される4人組バンド。

2017年3月に1stアルバム「人生、山おり谷おり」をリリース。

その後はCribsやFazerdaze等の海外アーティストのサポートアクトを務めるなど、次世代のロックバンドとして注目を集める。

現在は2ndアルバム『AHA』リリースツアーを終えたばかりで、次は12月9日のJAPAN’S NEXT 渋谷JACK 2018 WINTERへのライブ出演、2019年2月15日には東京キネマ倶楽部で自主企画『天下一舞踏会』の開催が決まっている。

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