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2018.11.07
【キタコレ!】伊藤桃連載vol.5!ふらり鉄道デートにぴったりの路線は?
【キタコレ!】伊藤桃連載vol.5!ふらり鉄道デートにぴったりの路線は?
週末、東京近郊でもしもふらりと鉄道でデートをするならば…というお題で憧れの路線が一つあります。
海がみえる絶景、可愛い猫たちがお出迎えしてくれる駅、そして昭和の佇まいを残す駅と赤ちょうちんの居酒屋さん…。
そんな景色に出会える路線の名前は鶴見線といいます。
品川駅から京浜東北線にて18分ほどの鶴見という駅からでている路線で都心からほど近いのにもかかわらず、臨海工業地帯を走る都会のローカル線として名高い路線です。
この鶴見線は3つの終点があるのですが、今回は週末デートプランということで大川支線ではなく本線と海芝浦支線の2つを訪れてみました。
鶴見駅をでるとじょじょに列車は工場地帯の中を走り、非日常の街並みへと変わっていきます。

本線の終点の扇町駅までは21分とあっという間ですが、ローカル情緒のある無人駅が出迎えてくれました。

なんといってもこの駅は猫が多いことで有名なのです。
早速猫さんを発見!
ひとなれしているのか近づいても全く逃げません。
猫と鉄道,どちらも大好きな私にとってはたまらない空間がそこにはありました。
すっかり猫さんに癒された後は、今度は海芝浦支線の終点海芝浦駅へと向かいます。
海芝浦駅へは折り返しの列車にのって浅野駅にて海芝浦支線へと乗り換えます。
乗り換え時間が多少あったので浅野駅でものんびりすることができました。

この浅野駅もまたローカル風情のある駅で、レトロな写真をとりたいかたにはおすすめです。

草木しげる線路にてすごす夕暮れの淡い時間…
そこにはゆったりとした時間が流れていました。
浅野駅をでると穏やかな運河にそって列車は走っていきます。

すっかり時刻は宵時。
この時間に終点海芝浦駅へ着くことをねらって実は計画をたてていたのです!
終点・海芝浦駅は降りると…
すぐ目の前に海がひろがっているのです!
まるで埠頭のようなホームで、今現在、日本で一番海に近いホームだそうです。
可愛い猫に癒され、ローカルな駅でのんびりとした時間をすごし、そして海芝浦駅で夕焼けから夜に変わる海を眺める!
私の憧れデートプランもいよいよクライマックスです。
この海芝浦駅は東芝の敷地内で、本来は東芝社員のための駅なので実は一般客はでることができません。
出ることができない駅があるって面白いですよね。
その代わりに駅構内に海芝公園という海を堪能できるスポットがあります。
ベンチに座り、刻々と夜に変わっていく海を眺めていました。
遠くには工場や横浜の街並みがキラキラと輝く様がみえます。
次の列車がくるまであったかい缶コーヒーでも飲みながら夜景をみる…なんて贅沢な時間でしょう。
でも鶴見線デートプランはまだまだ続きます!
海芝浦駅から今度は鶴見駅へと折り返し、鶴見駅の隣駅の国道駅でおります。
この国道駅はとにかく…渋い!
まるでここだけ昭和へタイムスリップしてしまったようです。
この国道駅はその名の通り高架ホームの下を国道が走っている駅で、1933年の建設当時から変わらない姿のレトロな駅になっています。
映画「ALWAYS 三丁目の夕陽」など様々な映画やドラマのロケ地にもなっているので見たことがある方もいるかもしれません。
さて、私の鶴見線デートプラン最後のしめはこちら!
駅の改札をでてすぐ目の前にある赤ちょうちんの焼き鳥や「国道下」で温かいものを食べて帰る!です。
土曜の夜とはいえまだ18時台だったのですががらりと扉をあけると満員のお客さんがいました。
狭いながらに2列に椅子を出しているようでしたが、みなさん上気した様子で本当に楽しそう。
どうしようかなと考えあぐねていたら、大将が出てきてなんと瓶ケースでテーブルを作ってくれました。
串は目の前で焼いて、外のお客さんにはこの小窓からだしてくれます。
夜景をみていてすっかり冷えきった体が温かい食べ物と美味しいお酒でどんどんほぐされていくのを感じました。
この「国道下」の魅力は美味しいご飯もさながら、なんといっても大将の人柄が素敵でした。
店前で雨宿りをして震えている人がいればお客じゃなくても暖かいおしぼりを差し出してくれたり、私が「国道駅にある銃弾痕ってどれですか?」と尋ねたら「あそことあそこと…よしゃついてきて!」とお店を出て、駅の外までも一緒に小走りして指をさし、弾痕をおしえてくれたり。
国道駅には第二次世界大戦時の機銃掃射痕が残っているのです。左上のへこみがそれです。)
この「国道下」が賑わい、ずっと店内からも笑い声がたえないのは大将の魅力も大きいのだろうなと思いました。
現在は19:45にはもうお店を閉めてしまうそうなので行かれる方はどうぞご注意ください。
鶴見線デートの旅、いかがでしたでしょうか?
気軽にふらりと週末旅、是非たのしんでみてくださいね。

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