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ヒマつぶし情報

2018.01.29

【キタコレ!】アーバンギャルド・おおくぼけいが初ソロアルバムデビュー

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“トラウマテクノポップ”を標榜し、狂った電子音に濃厚なアンサンブル、男女のツインボーカルで、唯一無二の世界観を築くバンド・アーバンギャルド。メンバーの、浜崎容子(Vocal)さん、松永天馬(Vocal)さん、瀬々信(Guitar)さんらは個人の活動にも精力的。2015年に同バンドに合流したおおくぼけい(Keyboard)さんも例に漏れず、その活動の幅は実に多彩です。昨年10月にはソロアルバムデビューを果たしています。

初のソロアルバム「20世紀のように」は、おおくぼさんが作・編曲を手がけたインスト曲とゲストボーカルを迎えた歌モノで構成。アーバンギャルドの“病的にポップ。痛いほどガーリー”とも称される独特な世界観から離れ、自らの音楽性を追求した11曲が収められています。

ゲストボーカルとしては、GACKTに誘われ「YELLOW FRIED CHICKENz」のツインボーカルの一翼を担ったジョン・アンダーダウン、“戸川純 avec. おおくぼけい”名義でおおくぼとライブ活動をしている戸川純、そして魔界人アイドルとして熱狂的なファンを集める椎名ぴかりん。三者三様の魅力を、おおくぼさんが独自の手法で引き出しています。

アーバンギャルドのキーボーティストして活動するかたわら、「忘れらんねぇよ」「KEYTALK」など、様々なアーティストのレコーディングへの参加、映画、演劇の音楽の作編曲も行なっているおおくぼさん。講談社が主催する女性アイドルオーディションにミスiD2017に、中学生の時に憧れていたという“かわいい女の子”として応募。ファイナリストに進出された時も、得意の即興演奏で注目を集めました。

事ほど左様に、多様な表現活動を行うおおくぼさん。あらためて、自身初のソロアルバムとなった「20世紀のように」に込めた思いについて伺いました。


ー様々な顔を持つおおくぼさんですが、特に同アルバムについては特に、ご自分のどういう点を打ち出したいと考えられましたか?

 

おおくぼさん:去年はミスIDに出たりパフォーマティブなことも行いましたが、今回はいかに僕の音に集中していただくような音楽をつくるにはどうしたらいいかと腐心しました。大学も作曲科に入って、これまでも音楽についてはすごく考えてきたし、自分はあくまでミュージシャンであるという意識が強いのです。歌詞があったりなかったり、色々な曲が入っているのですが、これは音楽についてのアルバムです。このアルバム1枚を通して、自分の音楽に対する考え方が表れているのではないかと思います。

ー表題曲の「20世紀のように」は、アメリカ人であるジョン・アンダーダウンさんが日本の20世紀の事柄を並べたラップに、サビで椎名ぴかりんさんがコーラスとしてハモっています。


おおくぼさん:この楽曲は、ブリジット・フォンテーヌの「ラジオのように」へのオマージュです。ラジオから聴こえてくる、意味のない言葉の羅列の曲ですが、それと同じように、“20世紀のように”とは言っているけれど、時代時代で色んなことがあるけれど、時間は平等に流れていて、時代は関係なく常に今があるだけ、というメッセージを込めています。ジョンは20世紀の日本にいなかった外国人、ぴかりんは20世紀生まれではあるけれど、ほとんど20世紀を生きていません。実は全く20世紀ではないのだけれど、“20世紀のように”というわけです。この楽曲以外にも、ジャンルにとらわれれない構成でピアノ曲などもあるので、ピアニストとしてのプレイも楽しんでもらえるかと。

ーおおくぼさんファンは、まさにマストバイの作品ですね。


おおくぼさん:CDを買って、まず聴いて観てほしいというのはもちろんあります。実はこのCDの盤面は、昔のCDが出始めでまだレコードの盤面のようだった頃のものをイメージしています。最近、カセットテープが流行っているじゃないですか、だからCDも流行って欲しいなと。(笑)

ー今年、アーバンギャルドはデビューアルバムをリリースして10周年。4月8日には、東京・中野サンプラザホールで「KEKKON SHIKI」が開催されます。アーバンギャルドに参加されてから、影響を受けたことはありますか?


 おおくぼさん:アーバンギャルドは、すごく懐が広いバンドだと感じています。アーバンギャルドのライブの客席って色んな方がいて、ロリータの子もいれば、セーラー服のコスプレ、普通のTシャツ姿の人、会社帰りのサラリーマンの方もいれば、お子さん連れの方もいたりする。バンドの表現であったり、そこに集う多様なお客さんの姿を見て、自分も好きなことをやっていいんだ、という自由な空気をもらっています。

ー最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。


おおくぼさん:このアルバムは、色んなカルチャーへのきっかけが詰まっています。たとえば、ここから戸川純さんに出会っていただきたいし、歌詞に出てくるニーチェなどの思想家について、たどってみてもらってもいい。僕も昔、レコードやCDを聴いて、それを起点に他の音楽や文化に触れたという経験があります。このアルバムが入り口となって、みなさんに新しい出会いがあったら嬉しいです。


記事元

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レポーター名:皆本るい

レポータープロフィール:「ラブクラフトの世界」大好きです!                                        

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