丸尾末広先生
1956年1月28日生 長崎県出身。
少年時代『少年キング』『少年マガジン』等に熱中し漫画家を志す。15歳で上京し板橋区の凸版製本で働く。その後様々な職を体験。17歳で「少年ジャンプ」に持ち込むが自分の作風は少年誌に不向きであると知り一時漫画から離れる。
1980年、『エロス'81 劇画悦楽号2月号増刊』(サン出版刊)にて「リボンの騎士」でデビュー(収録当初のタイトルは「リボンの蛇少女」)。
1982年、初の単行本「薔薇色の怪物」(青林堂刊)を上梓。1984年には代表作となる「少女椿」(青林堂刊)を上梓。夢野久作・小栗虫太郎・江戸川乱歩等の影響を匂わすその作風や緻密で耽美な画風は瞬く間に人気を博し、その後漫画、挿画、イラストレーション等を次々発表。
また、マンガ以外にも活動を広げ、1983年、遠藤ミチロウ氏率いるザ・スターリンのアルバム「虫」のジャケットを手がけ、1985~6年には、劇団「東京グランギニョル」の上演作品『ライチ光クラブ』では俳優及びポスター画を担当し注目を浴びる。
1988年、月刊『ガロ』7月号にて「金の手帖」を発表。また1993年、同誌に発表した中編作品「無抵抗都市」は完成度の高いストーリーで、その後の作品へのステップアップになった。
90年代で注目すべき事柄として、『ヤング・チャンピオン』にて「犬神博士」「ギチギチくん」を発表。共に同版元から単行本を上梓し、執筆の舞台を広げた。
その後一時沈黙を保つも、2007年『コミック・ビーム』7月号より(エンターブレイン)にて江戸川乱歩原作「パノラマ島奇譚」の連載を開始。同タイトル単行本は2009年、手塚治虫文化賞新生賞(マンガの可能性を引き出した作品に対して贈られる賞)を受賞し、再び熱い注目を浴びる。その後、同誌で江戸川乱歩原作「芋虫」等を発表。
また、海外での注目度も高く、特に早くから注目されていたヨーロッパではフランス、イタリア、スペイン、ドイツにて翻訳本が発売され、フランス、スペインのコミックフェスティバルから招待を受け、サイン会では長蛇の列が出来るなど、人気が高い。