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2018.06.11

映画『のみとり侍』公開記念!ニャンまげが監督・鶴橋康夫にインタビュー

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映画『のみとり侍』が5月18日(金)から全国東宝系で公開開始!

同作の舞台は、老中・田沼意次の規制緩和によりさまざまな生業が成立する江戸中期。
物語は越後長岡藩藩士の小林寛之進(阿部寛)が、とある失言により藩主の逆鱗に触れ、
「蚤とり屋」に左遷されてしまう。

“蚤とり”とは、表向きは飼い猫ののみをとって日銭を稼ぐ仕事。
しかしその実態は、女性に愛を奉仕する裏稼業だった。

本作は、“蚤とり侍”となっても生真面目に生きる男・寛之進と、
そんな彼が江戸の浮世で出会った数々の人々が巻き起こす、
笑いあり、エロスあり、タナトスあり(?)の神聖喜劇となっている。
原作は、小松重男の短編集『蚤とり侍』。

今作のメガホンをとったのは、
『砦なき者』『永遠の仔』などをはじめとするテレビドラマや
『愛の流刑地』『後妻業の女』などの映画を手がける鶴橋康夫監督。



(左:鶴橋康夫監督)

そしてそして、『のみとり侍』の“公認”裏応援団長を務めるのは、
日光江戸村の住人・ニャンまげ。今回は映画の公開を記念して、
ニャンまげが鶴橋監督にインタビューを敢行しました!




(左:ニャンまげ)

40年間あたため続けた、鶴橋監督渾身の企画『のみとり侍』

ニャンまげ
にゃんにゃにゃ、にゃんにゃにゃにゃん。にゃっにゃにゃんにゃんにゃん!
(訳: 40年も前から、映画化を熱望していたとお聞きしました。
原作に出会ったときのエピソードをお聞かせください!)

鶴橋
僕がまだ若い頃、テレビ局に勤めていたんですよ。
あるとき『国士無双』や『足軽出世譚』を生んだ脚本家・伊勢野重任さんに会う機会があったんです。
伊勢野さんは、一瞬の閃光のように作家生命を閉じた後、
何十年もかけて「侍」という作品を書き続けていて。しかし、作品は未完のまま。
不条理な物語が故に、書かずじまいの半生を過ごしていたんです。

鶴橋
それから、伊勢野さんにアイディアのひとつも言ってみたかった僕の中に、
「侍」というワードが残り続けていました。
その直後、偶然か必然か、本屋で出会った『蚤とり侍』に不思議な親近感が湧きまして。
喫茶店で読み進めていると、へぇ〜、田沼時代はこんな職業があったのかと、本作の着想が浮かびました。
しかし当時、この企画は一顧だにされなくて。
それから40年ほど、この企画を抱えてきました。
そして今回、東宝の市川南さんや阿部寛さん、いつものメンバーとのご縁もあって、
ようやく映画化が実現しました。
ニャンまげさん、実際に観て、どうでしたか?

ニャンまげ
にゃ~にゃ~、にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ!

(訳: 物語が進んでいくごとに、グイグイ引き込まれていきました!)


鶴橋
それは嬉しいなぁ。
僕としても、監督冥利に尽きる作品なんです。
よく“作品の見どころは?”と聞かれるけれど、
僕の場合はラストシーンにたどり着くまでの過程だと思っています。
寛之進が、突然の不条理な放逐にあって、のみとりをやりながら、誰と会って、どう成長したかの1ヶ月半。
人は一人では生きられなくて、誰かのおかげで生きている、というのがよく分かるはずです。
原作者の小松重男さんに観ていただけないことが残念だけれど、
関係者のみなさんが頑張って宣伝してくれて、こうやってニャンまげさんも来てくれて。
これだけたくさんの人を巻き込んでしまったら、
制作費を回収できなかった場合は自害するしかないのかな(笑)。

ニャンまげ
にゃ~にゃ〜! にゃんにゃん!にゃにゃにゃにゃにゃん、にゃんにゃにゃんにゃん!
(訳:大丈夫です! そんなことには絶対なりません!
今回の映画はR-15指定ではありますが、若い人でもしっかりと楽しめる内容だと感じました! )


鶴橋
ありがとう(笑)。
そういえば以前、インターネットで『砦なき者』のレビューを見ていると、
「鶴橋康夫、衰えたり!(18歳)」というコメントがありまして。
それから「18歳って、俺の何を見てくれているんだろう?」と気になっていたんですよ。
だからってわけじゃないですが、今回の映画は感受性が強い若い層も楽しめるよう意識して撮影してみました。
例えば、エロティックなシーンでも生々しさを避けるため茶化したり、
江戸時代の口語を一部分かりやすい現代語に改変してみたり。
役者さんたちがこだわりを感じる演技にも注目です。


ニャンまげ
にゃんにゃにゃ〜!

(訳:にゃるほど〜!)

ニャンまげ
にゃにゃにゃにゃんにゃにゃ、にゃんにゃにゃにゃにゃん?

(訳:本作は脚本も監督ご自身で書かれていましたが、なかでも難しかったシーンはありますか? )


鶴橋
う~ん。監督として、それを聞かれるのが一番切ないですね(笑)。
というのも、僕は出演者にあわせて脚本を書いてるんですよ。
いわゆる座付き監督。登場人物全員が伸び伸びと演じてもらえて、全員が得するように演出したくて。
例えば、寛之進と清兵衛が鰻屋で会話するシーンなんか、
一人が何かやるともう一人が反応して、互いに邪魔しないように自分の芝居をしていました。
それはもう撮影しながら笑い転げてしまうほど、型にはまっていましたよ。

ニャンまげ
にゃにゃにゃにゃんにゃにゃ、にゃんにゃにゃにゃにゃん?

(訳:最後になりますが、読者に一言お願いします!)

鶴橋
おそらく観てくれるであろう団塊以上の世代は、不条理な経験をされてこられて、
さまざまな軋轢があったと思います。僕もその一人でした。
会社員時代は出世もしなかったし、理不尽なこともたくさんあった。
でも、僕は運良くいい人にたくさん出会うことができました。
それは寛之進も同じです。
甚平夫婦だったり、長屋の人たちだったり、江戸の浮世を懸命に生きる人たちと出会って、成長していくんです。
『のみとり侍』は、そんな小林寛之進のひと夏をかいた映画です。
ぜひ、劇場でお楽しみください。


プロフィール

■鶴橋 康夫(つるはし・やすお)

1940年1月15日生まれ、中央大学法学部卒業後、1962年読売テレビ入社。
以後一貫してドラマ演出を手掛ける。現在はフリーの監督/脚本家として活躍。
叫びと沈黙、滑稽と悲惨、真面目といい加減さが混在するその演出は、“映像の魔術師”と謳われる。
主な映画作品は『後妻業の女(‘16)』『源氏物語ー千年の謎ー(‘11)』『愛の流刑地(‘07)』。

■ニャンまげ

いつの頃からか江戸ワンダーランドに住み着いた猫様。
ちょんまげがトレードマークの神出鬼没な存在で、江戸の住人からも愛されている。

関連リンク

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ニャンまげ編集長がお届けする“公認”裏サイト
『nomitori.com』(http://nomitori.com/

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