ヒマつぶし情報
2018.05.17
なんで今生きてるの?生と死を意識する小説ベスト3
朝起きて、学校行って、授業受けて、帰る。毎日ダラダラ過ごすのが当たり前の学校生活が自分の日常なんだと思っていた。そんな中、学校でぱらぱらと最後まで読んだ。死なないためのまじないも、生きるための努力も意味をなさない。この子たちの人生の終わり方を一言で言えば不運な事故。その裏側に隠された真実を見てほしい。日常だと思っている今が、何かの影響を受けて過ごしている“非日常”なのかもしれない。
『Another』
綾辻行人 著/角川書店
本を選ぶときは、背表紙のタイトルから。タイトルを見て、死者が鬼になるんだろうな、そしてその鬼が襲ってくるんだろうなって予測して読んでいく。いや違った。ここでいう鬼っていうのは人間なんだ。朝も昼も夜も関係なく人間のふりをして隣に潜んでいるかもしれない“鬼”。身近な人が“鬼”として襲ってくるかもしれないと“人”が“人”に怯えて過ごしていく。タイトルで抱く印象だけがすべてではないと教えてくれる。
『屍鬼』
小野不由美 著/新潮社
本を一文字ずつ大切に読むきっかけになった小説。中学時代、紙の上の文字によって、まさか身体が苦しめられることになるなんて。苦しみと弱さと不安と痛みが読むごとに伝わってくる。ページをめくるたびに襲いかかる恐怖と心の重たさに背筋の凍るような体験をした。最後まで読んで感じたのは、本の中の世界では生きられないということより、読み終わった今よく自分が生きていたなということだ。
『夜魔』
甲田学人 著/メディアワークス
手崎芳美(25)三重県在住/イオンモール鈴鹿店次長
おいしいご飯とお菓子と旅行! それから楽しいことを見つけて、それにお金と時間を全力で使うことが生きがい。最近の悩みと言えば、知らない間にできる青あざ。
※プロフィールは雑誌掲載当時のものです。
『東京グラフィティ』#146(2017年10月号)掲載