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ヒマつぶし情報

2018.04.05

収益なんてなんのその!素人主演の映画ベスト3

主演が有名俳優じゃなくたって、すばらしい映画はある。

戦後のイタリアが舞台の実写なので当時の貧困の様子がよくわかる。仕事に必要な自転車を盗まれる父親役の俳優は、実際に失業中の電気工だったらしく、生活の疲れがにじみ出ている。もう見つけるのは難しいのでは…と思っているところに切なすぎる展開が!! 疲れ切った父子が人混みの中に消えていくラストで、この映画は主人公ばかりでなく同じ時代を生きているすべての人々の物語なんだと感じさせる。

『自転車泥棒』

1948年イタリア/監督:ヴィットリオ・デ・シーカ/出演:ランベルト・マッジォラーンほか/株式会社アイ・ヴィー・シー

屈折した青年がスリ稼業にのめり込んでいく映画。主演の素人俳優のセリフはボソボソでほぼ直立不動。他の役者も似たようなもので、淡々とした語りで物語は進む。ところがスリの場面になると急に目が離せなくなる! 特に3人による連携プレイの犯行シーンは華

麗なショーを見ているかのようだ。淡々とした演出も、主人公の心理を表現するブレッソン監督の独特の文体なんだとわかってくる。



『スリ』

1959年フランス/ 監督:ロベール・ブレッソン/ 出演:マルタン・ラサールほか/株式会社アイ・ヴィ・シー

初めて観たイラン映画。間違って持って帰った宿題ノートを返すために、隣町の友だちの家を探し求める少年のお話。ほのぼのとした語り口で少年を応援したくなる。しかし、先生を始め映画の中の大人たちがみんな冷たい。楽しいだけの映画ではなく、当時のイランの子どもたちの状況を描いて問題提起までしているところがすごい。フィクションとドキュメンタリーの間のような演出と独特のユーモアにはまった。



『友だちのうちはどこ?』

1987年イラン/監督:アッバス・キアロスタミ/出演:ババク・アハマッドプールほか/パイオニアLDC


塚田純二(45)佐賀県在住/モラージュ佐賀店店長
書店に流通していない懐かしのマンガや小説を探して、休日は古書店をのぞいています。現在は連城三紀彦の短編集や深谷かほるの『エデンの東北』などを探索中です。

※プロフィールは雑誌掲載当時のものです。

『東京グラフィティ』#145(2017年8月号)掲載

「東京グラフィティ」のサイトはこちら

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